ボウリング界のシンデレラガールが説く、“好き”を仕事にできる幸せ

2015.03.23 森 大樹

森彩奈江

 

今回はプロボウラー・森彩奈江選手にお話を伺います。森さんは2007年にプロデビューし、公式戦で4度のパーフェクトゲームを達成されています。また、ボウリング番組「P★LEAGUE」にもご出演されており、キャッチフレーズは「シンデレラガール」。プレーだけでなく、毎試合工夫されている様々な衣装にも注目です。

 

好きなことを仕事にできているのはすごく幸せ

 

-本日はよろしくお願い致します。

-小学校高学年からボウリングを始めたということですが、中学ではバスケットボール部に所属されています。ボウリングも並行してプレーしていたということでしょうか。

はい。好きで大会などにも出ていました。しかし、中学のバスケットボール部の試合とJBCというアマチュア団体のボウリングの大会が土日で重なることが多く、両立という点で悩みました。結局どちらの競技も中途半端な形にはなってしまいましたね。

 

-高校時代もボウリングとは関係なさそうなフォークソング部に所属されていたそうですが、どのような理由から入ったのでしょうか。

高校の1つ上の先輩で片井文乃さんという方がいました。現在は同じプロボウラーです。ちょうど全国高校対抗選手権という2人で出るボウリング大会ができて、その人と一緒に出たいと思ったので、高校では練習が忙しいバスケットボール部ではなく、ボウリングと両立できそうなフォークソング部に入りました。

 

-中学、高校時代のスコアはどのくらいでしたか。

中学で170、高校で180くらいだったと思います。出身の静岡県はボウリングが盛んで、周囲にはたくさん上手な方がいたので、当時の私のレベルではプロになろうとは考えられなかったです。

 

-では、ボウリングでプロを目指すと決めたのはいつでしたか。

大学を卒業する時です。先輩に和田幸二郎さんというプロ1期生の方がいて、プロボウラーの道を勧められたので、目指してみようと考えました。

 

-プロになられたのはいつですか。

大学を卒業して、静岡に一度戻りました。実家は学習塾をやっていたので、そこで1年間手伝いをした後、静岡鉄道に入りました。そこで働いている時にたまたま女子プロボウラーの新人戦にアマチュアの部で出場して優勝することができました。

実はそれまで親にはプロボウラーになることを反対されていたのですが、社会人経験を積んで、大会でも結果を残せたということでプロテストを受ける許可をもらうことができたんです。なかなかプロになりたいと親に言い出せなかったり、自分に自信がなかったりとプロになるまですごく悩みました。

 

-プロボウラーになってからよかったこと、苦しかったことを教えて下さい。

まず、自分の夢が叶って好きなことを仕事にできているのはすごく幸せだと感じています。これは本当に嬉しいことですし、良かったことですね。

苦しかったこととしては、最初の頃は息抜きができなかった。ということがありました。今は釣りをするなど、だいぶ息抜きできるようになりましたが、当時は好きなことを仕事にしていることによって、逆に精神的に参ってしまったこともありました。

 

-ボウリングは知名度があって、やったことがある人も多いですが、プロの存在を知らず、会ったことも無い人も多いと思います。どこに行けば会う、もしくは見ることが出来ますか。

センターにもよりますが、ボウリング場に所属しているプロも多いです。特に私の所属しているグランドボウルは所属プロが多いセンターです。なのでボウリング場に来て頂ければプロに会えると思います。ぜひ気軽に声をかけてください。

森彩奈江

 

試合の時に緊張を和らげる方法

 

-森さんは15ポンドのボールを使われているそうですが、かなり重いのではないですか。

皆さんはそう感じるかもしれません。でもボウリング場に置いてあるハウスボールは自分の手に合っていないから重く感じてしまうんです。しかし、いわゆるマイボールというのは自分の指のサイズに合わせて穴を開けるので、ぴったりフィットして重い球でも持つことができます。見ても分かるとは思いますが、決して私に特別力があるというわけではありません。

 

-マイボールを作るのも面白そうですね。

スコアも伸びますし、ボールも自然と曲がるので絶対に楽しいと思います。

 

-個人差はあるとは思いますが、例えばスコア100の人を1週間教えたらどのくらい伸びますか。

120くらいは行くと思います。やはり投げれば投げるほど、スコアは良くなります。170くらいまではコツを掴むと出せるようになりますが、その先はまたより高度な技術が求められると思います。

 

-私もレジャーとしてボウリングをする機会がありますが、スコアが出やすい場所と出にくい場所があります。プロの方もボウリング場によって投げやすさに違いがあるのでしょうか。

あります。アプローチと呼ばれる投球までに歩く場所があるのですが、そこがプラスティックなのか、木なのかによって滑り方が違います。シューズの裏を変えて対応はしますが、それでも投げるタイミングは微妙に違ってきてしまいます。また、レーンはオイルのひきかたで難しさがかわります。スコアが出しやすいパターンもあれば、難しいパターンもあります。

 

-これからボウリングのプロを目指す人にとって、やはり収入の面は気になる部分だと思います。森さんはどういったところから収入を得られているのでしょうか。

各ボウリング場で行われるチャレンジマッチなどのイベント、所属センターであるグランドボウルさんからの収入、あとはスポンサーさんから頂いています。

 

-森さんの衣装は特におしゃれなものが多いですが、意識されているのでしょうか。

どうしてもボウリングはファッションが遅れていて、それを良くしていきたいとプロになる前から考えていました。今ウェアの契約をしているABSさんと一緒にオリジナルの衣装を作ったりしています。ゴルフがファッション面で良くなってきているので、ボウリングもまだやれることがあると思っています。

 

-以前アメトーークで「P★LEAGUE」が特集されたこともあったと思います。

私の衣装はケンドーコバヤシさんが着て下さっていましたね(笑)番組を観ていた方がテンガロンハットを被っていたのを覚えていてくれて、声をかけられることもありました。

 

-ボウリングは集中力が求められる場面が多いと思います。メンタル面で気を付けていることはありますか。

パーフェクトがかかった最後の1投など、絶対に外せない場面が多くあって、緊張します。その緊張に打ち勝って結果を出せた時は嬉しいです。緊張を和らげるためにやっていることとして、投げるタイミングをなるべく一定にするようにしています。自分に話しかけたりもします。あとは癖でタオルの端と端をきれいに合わせたりします。

 

-ルーティーンワークは多くのトップアスリートの方も実践していますね。森さんも緊張を乗り越えて、公式戦でパーフェクトを4回達成されています。

緊張ももちろんそうですが、ある程度は運の要素もあるので、最後は何が何でも倒れてほしい時は、祈ります(笑)

 

-森さんの今の目標を教えてください。

また公式戦での優勝がないのでそれを達成したいです。あとはランキング18位以内をクリアして、シードプロに入りたいです。

森彩奈江

 

幅広い世代の方にボウリングを楽しんでもらいたい

 

-ここまでは競技面中心にお伺いしてきました。森さん個人についてのご質問もさせて頂ければと思います。

-ボウリングをしていない時間の趣味を教えてください。

釣りが趣味です。釣りと言ってもサビキで小さいアジが釣れればいいな、くらいです(笑)洋服を見るのが好きなので、よくショッピングに出かけます。家から一歩も出たくない時にはDVDを観ていたり、音楽を聴いています。最近は宇宙兄弟を観るのがブームですね。

 

-ご自身で思う、森さんの魅力を教えてください。

集中してその場面に入り込めることだと思います。あとは明るくて大らか、好奇心旺盛ですかね。笑

 

-プレーに関してのアピールポイントを教えてください。

ストライクが出始めると続けて出すことができるところだと思います。爆発力があるタイプで、パーフェクトを出せている要因もそこにあると考えています。

 

-仲良くなりやすい同性のタイプを教えてください。

自分がさっぱりした性格で、女の子同士で固まることが得意ではありません。サバサバした性格の子が合うと思います。あとは一緒にお酒を飲んで盛り上がれる人がいいです。

 

-異性のタイプを教えてください。

大らかで一緒に成長していける人がいいです。やりたいことをまっすぐにやっている人がいいですね。

 

-最後に読者の方にメッセージをお願いします。

今ボウリングは五輪の候補種目にもなっています。レジャーとしてはすごく身近だとは思いますが、スポーツとしてのボウリングも知って頂きたいです。プロと一緒に投げられるチャレンジマッチなど様々なイベントを頻繁に行っているので、気軽な気持ちでぜひ参加して頂ければと思います。そして、若い人から年配の人まで、幅広い世代の方にボウリングを楽しんでもらいたいですね。