パーソナルトレーナーが指摘する、一般的な治療の問題点とは

2015.03.02 AZrena編集部

橋本剛史

 

パーソナルトレーニングスタジオ・コアリファインを昨年度開院された橋本剛史さんのインタビュー。従来の治療院やスタジオとは違った、人に自分の身体を任せるのではなく、患者さん自身が「自分の身体と向き合うこと」「自分の身体が好きになる」ための指導をされています。本当の健康とは何かに迫ります!

 

治療を受ける人が完全に受け身になっているという問題点

 

–  まずは橋本さんがトレーナーを目指そうと思われたきっかけを教えて下さい。

実は、最初はトレーナーになりたいという思いは全くありませんでした。学生時代に運動が好きなこともあり、フィットネスクラブでバイトを始めました。バイトを始めて運動やトレーニングに関する知識が付いてくると、仕事がどんどん面白くなっていきました。自分では、知識がついてお客さんの指導もできるようになってきたと思っていたのですが、ある日それは思い込みだと気付きました。

自分の指導したお客さんを冷静に見ていると、結局何も変わっていなかったことに気付いたんです。本当にショックを受けました。痩せることや、筋肉をつけることはできていたのですが、姿勢を変えることや競技パフォーマンスを上げること、痛みが取りたいなどの、お客さんが悩まれていることに関して、根本的な問題を改善できていなかったんです。そこから悔しくて今まで以上に自分で勉強するようになり、初めてトレーナーになろうと思いました。

 

–  フィットネスクラブでのトレーナーではなく、独立されてフリーのトレーナーとして活動しようと思ったきっかけを教えていただけますか。

フィットネスクラブが目指すものと、自分の目指したいものは少し違うと感じたので、フリーで自分のやりたいことを達成する道を選びました。いざ後ろ盾がなくなると自分でやるしかなくなるので、身も心も引き締まりました。フリーになってから、しばらくして自分の店を構えたいと考えるようになりました。

 

コアリファイン

 

–  自分の店を構えたいと思われたきっかけを教えてください。

ある日、改めて運動とは素晴らしい力を持っていると感じた出来事がありました。トレーナーの仕事の中で、整形外科や鍼灸・接骨院に行っても、全く症状が良くならないという方が悩んで来られる機会が多くあったんです。具体的には膝の靭帯を切ってから3年間痛みが続いている患者さんで、接骨院に行っても腫れていて、治療ができないと言われて、来られた方です。治療としては呼吸法とおしりに力を入れるトレーニングを行ったのですが、1週間後、痛みがなくなったことを驚いて報告に来てくださりました。

その報告が嬉しかったこともあり、誰かのマッサージや治療を受けるだけではなく、運動やトレーニングによって「自分の身体を自分で管理できるようになる」、そのような場所を作りたいと思いました。

 

–  自分の身体を自分で管理することは当たり前のようで、実はなかなかできていないことかもしれません。

一番の問題は、治療を受ける人が完全に受け身になっているところだと思います。自分の身体のどこが悪いのか、どこが固くてバランスが崩れているのか、ほとんどの方が気づいていないですね。運動指導まですることで主体となって行い、自分自身で身体の変化を感じることができます。何も考えずにストレッチを真似してやるよりも、例えば右肩の方が固いなど、自分の身体を知った上で行うだけで、同じ内容でも効果が全く違ってきます。まず、自分の身体を知らないことには、治すことにはなかなか繋がりません。

また、自分で効果を感じることができれば改善していることに気付き、自信にも繋がりますし、気持ちも前向きになっていきます。このことが運動の魅力であり、病院に診察に行くだけ、マッサージを受けるだけで、根本的な改善ができないこととの大きな違いでもあると感じています。

運動の素晴らしさと可能性を伝えたい

 

–  橋本さんのトレーニングスタジオの特徴や心がけていることを教えてください。

私のスタジオでは、集中した空間でトレーニングできるように、完全予約制にしており、要望があれば、好きな音楽をかけることも、男性の方なら自分の身体がよりわかるように鏡の前で上半身は裸でトレーニングを行うことも可能です。

選手の競技力向上と一般の方の運動の指導の場合では、少し方法が変わってきます。例えば水泳の場合でいうと、高齢者の方に選手に教える泳ぎ方をそのまま指導している現場もありますが、そうではなくて、高齢者の方には無理に痛いところまで肩を動かさなくとも、痛みのない範囲での泳ぎ方を指導するなど、その人に合った指導をすることが大切だと思っています。

 

橋本剛史

 

–  人によって運動のレベルが違うので、自分に合わせたものをやってもらえるというのは大きいと思います。

そうですね。あとは病院で痛みの相談をすると身体の動かし方を少し変えれば、解決が出来ることがあるにもかかわらず、動かさずに安静にしておきなさいと言われてしまう場合もあります。

 

–  医師の方に診断されるとそのまま信じてしまいますね。

僕たちは運動が好きでやっている人に止めてくださいとは出来る限り言いたくないので、身体をしっかり見て、ここまでならできるというところを示してあげたいですね。

 

–  病院に行っても、そこまで親身になってくれる先生は確かに少ないかもしれません。

小さい子から高齢者まで指導していると運動していない人が、20年後どうなるか想像することができます。現在、痛みが出ていない人でも、10年、20年後にそれが現れるという予測もできるので、今のうちに改善しておかないといけないところをお伝えしています。歳を重ねてからでは、動かせるところも減り、回復の可能性も低くなってしまうので、早めに対処することが必要です。

 

–  最後に読者の方へメッセージをお願いします。

もっと運動の素晴らしさと可能性を伝えたいです。皆さん運動で身体が変わる、痛みが取れると思っていないのかもしれませんが、難しい知識がなくても基礎的なところを押さえて行うと効果はしっかり出るので、知らないのは本当にもったいないことです。ほんの少しの変化でも身体は変わります。

あとはぜひ専門家の力を借りてください。本で調べることも必要ですが、自分の状態を専門家に診てもらい、知ってから本を読むのではまた全然違うので、まずは専門家の意見を聞いてみることが大切だと思います。遠回りをせず、最短ルートで改善していくためにも専門家を頼ってみてください。

 

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