コーチングでスポーツ界の力に。東京五輪を目指すメンタルトレーナー

2014.12.18 AZrena編集部

台本尊之

本日は、チームフロー認定コーチとして、メンタルトレーニングを行っている、台本さんにお話を伺いました。

 

チームフロー認定コーチとしての活動

 

今現在台本さんが行っていることについて簡単に教えてください。

アスリートへのメンタルコーチングです。株式会社チームフロー(以下、チームフロー)でコーチングを学びました。チームフローのコーチングは他のメンタル系の関わりと少し違い特徴があります。その特徴は全ての基盤はコミュニケーションだと考えていることです。自分とのコミュニケーションと他人とのコミュニケーションです。自分とのコミュニケーションで自身のメンタルを整えること、そして他人とのコミュニケーションをより良くすることで人間関係の改善から自分の心の状態を整えていくという方法などがあります。

ですので、私達はコミュニケーションという部分で人から協力してもらえるようになったり、もしくは自分との対話の中で、モチベーションの源のようなものに気づくためのサポートをしています。あとは心のブレーキのような、知らず知らずのうちに何かの思い込みで動けなくなっているのをうまく外していきます。それらによって、気持ちよく実力が向上する練習プランを作成するサポートなどをしています。また、練習で積み上げた実力を、試合で発揮するためのサポートもしています。

 

フィジカルの方のトレーナーさんもいれたりするのですか。

入れる場合もありますし、練習メニューの素案を作って選手とトレーナーさんにお渡しする場合もあります。

 

台本さんがメンタルコーチングを始めたきっかけを教えてください。

中学、高校、大学と親は勉強の成績でしか評価してくれませんでした。良い点数を取ると喜んではくれたのですが、その先に目的はなかったんです。僕はその環境に違和感を持つことなく慣れてしまっていました。そんな状態で中学、高校、大学と過ごして、何がやりたいか分からないまま一般企業で働き始めました。働き始めて楽しいことも辛いこともありやりがいもありましたが、働き始めて5年程経った時に、本当に自分は何がやりたいんだろうかと疑問を持つようになったことがきっかけです。

 

働き始めるとなかなか立ち止まって自分のことを考える機会はないですよね。

ちょうどその頃、コーチングに触れる機会があり興味を持つようになりました。コーチングの流派によっては、いかに目標を達成するかを考えるものがあります。しかし僕はその目標、やりたいことがそもそも分かりませんでした。いろいろな人に聞いてみたのですが解決策がなく、困っている中、知人の紹介で知ったのがチームフローというコーチを養成するコーチングスクールでした。チームフローの面白いところは、「自分にとって本当は何が大切で、どうなりたいのか」

全てはそこからがスタートだと言うことです。その考え方がずっと悩んでいた自分とマッチしました。実際にチームフローでコーチングを学んだ方のコーチングを体験してみると自分と合っていて良い経験ができました。元々メンタルに興味もあったので、それを自分もやってみたいと思ったことがコーチングとの出会いです。

 

コーフボール

自分がやってもらって効果があったものを勉強したいと思いますよね。

その後、コーチングを受ける中で自分が忘れていたことを思い出すことがありました。僕は小学生の時にコミュニケーションが苦手でほとんど他人と会話ができなかったんです。そんな中で、数少ない仲の良い友達がサッカーを始めたので自分も始めました。その結果、うまく話せないながらもボールを使ってコミュニケーションをとることができ、そこから僕は少しずつ仲間と一緒に目標に向かって行動する楽しさを学ぶことができたんです。

また、母は60歳を越えているのですが、今も元気にテニスをしています。私が子供の頃からテニスをしていて、僕も休みの度にテニスの練習に付き添っていました。その時に、スポーツを楽しんでいる大人たちと話したり触れ合うことで、子どもの頃の僕は、うまく人とコミュニケーションがとれない中でも、落ち込んだりすることなく、楽しい毎日が過ごせていたことをありありと思い出しました。

そして、こう思ったんです。「自分の気持ちや心の状態にスポーツが与える影響は大きいなと。」プロじゃなくてもスポーツをしている人や、イキイキと楽しそうにしている人が周りにいると、前を向いた人生が歩めるということを自分の体験を通して思い出したんです。そんな自分の体験を通じて、自分もスポーツの力になりたいと思ったのがスポーツに関わりたいと思ったきっかけです。

 

具体的には選手とどういったことをされるのですか。

選手はこの試合に勝ちたい、この大会に出場したいといったある目標に向かってどうしたら達成できるのかを考えます。ですので、コミュニケーションなのかそれともモチベーションなのか、実力向上のための練習プランなのか、本番での実力発揮なのか、何がどうなれば目標が達成できそうなのかをコーチングを通じて、本人も気づいていないことを引き出すことが最初の基本のパターンです。

 

台本尊之

まだメンタルコーチングを知らない選手がやるべきことはありますか。

レベルが上になればなるほどメンタルの勉強をしている人は多いと思います。自分でお金を出して学んだり、他の人から教えてもらったり。でも、本で学ぶことや他の人から教えてもらったことがその人にどれだけ合うかは分からないと僕は思っています。ですので、1度やってみて自分に合うと思ったら続けてみる、合わないと思ったら違う方法を考えてみる。そんなメンタルへの取り組みがよいのではないかと思います。ちなみにですが、僕の専門とするメンタルコーチングは、1人ひとり違うことを前提としています。ですので、コーチングを通じて相手の方にぴったり合うもの、効果が出るものを一緒に探究していくことが特徴です。そこが強みだと思っています。

 

-1つの情報を鵜呑みにしてしまう人も多いと思います。

一般的なメンタルトレーニングにおける呼吸法やイメージトレーニングなどにももちろん効果があると思います。ただ裏付けとなっている一般的なデータは誰に対して取ったものなのかはよく分かりません。どういった人のデータか分からなければ当然響く人も響かない人もいるということです。例えば実業団の同じチームで3人同じことを行っても、3人ともパフォーマンスが上がるかというとそれは違うと思います。感じることもバラバラなので、それぞれの個性にあう関わり方を行っていきたいと思っています。

2020年東京五輪でサッカー日本代表のメンタルコーチに

 

まだまだメンタルコーチングは浸透していない部分も多いと思いますが、その中で苦労されたことを教えてください。

メンタルというと、どうしても心が病んでいる人を対象としていると思われてしまうことです。実際は、心の状態がマイナスの人にもプラスの人にも関わることができます。また、あるプロチームの方には、選手個人には効果があっても、チーム全体に対しては効果を発揮できないだろうと言われたこともありました。これまでのメンタルの概念と私が行っているメンタルコーチングの概念が違うにも関わらず、先に思い込みで判断されてとても悔しい思いをしたこともあります。

 

個人に対して行うことでチームのためになることもあると思います。個が伸びればチームも伸びると思いますし。具体的にどういったところの考え方が違うのでしょうか。

多くの選手やチームの方は、メンタルコーチングはマイナスの心の状態をゼロやプラスにするものだと思っています。僕たちはそのような関わりもしますが、良い状態を更に良い状態にするなど、成長のスピードを加速させる関わりも行っています。

 

台本尊之

 

少しメンタルトレーニングから離れて台本さんについて聞かせてください台本さんの将来の目標を教えてください。

2020年東京オリンピックのサッカー日本代表のメンタルコーチになることです。日本代表のアギーレ監督も就任前にはメンタルを重視されていましたら、今後に期待が膨らみます。

 

ようやくそういう時代になってきたのだと思います。他の競技にもメンタルコーチングの必要性を感じます。

本当にそうだと思います。あとは自分でいろいろ試していって、気持ちを切り替えるメンタルポイントを見つけることが大切だと思います。

 

休みの日は何をされていますか。

コーチングのスキルアップのこと考えています。あとは最近だと実際にスポーツを見に行ったり、2歳の息子と遊んだりしています。

 

台本さんのご自身で思う魅力を教えてください。

分かりやすく説明するのがうまいことだと思います。あとは楽しいながらも真剣にチャレンジする場を作ることです。あとは話しやすいといろんな人から言われたりしますね。

 

最後に見てくださっている方に一言お願いします。

スポーツはとんでもない力を秘めていると思っています。スポーツがきっかけになって、人を応援する文化、応援される文化、応援してもらえるから更にチャレンジしようとする文化を創っていきたいですね。そんな文化が地域や、学校、家庭にも広がっていってほしいです。そんな、スポーツをきっかけに人と人とが協力し応援し合う社会づくりに共感してくれる方と、いろいろやっていければいいなと思っています。

 

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