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「25億人の生活を向上させる」JFAとPHILIPS、合致した目的地。【 JFAパートナー企画 #3】

2021.12.17 / AZrena編集部

ヘルスケア・医療機器を取り扱うPHILIPS(フィリップス)は、JFAと「JYDテクニカルパートナー」を締結しました。共に歩みはじめたJFAとPHILIPSの取り組みについて、JFAの楢﨑克之さんと、株式会社フィリップス・ジャパンの茂田井忠正さんに伺いました。

ヘルスケア・医療機器を取り扱うPHILIPS(フィリップス)は2020年12月、日本サッカー協会(JFA)と「JFA Youth & Development Programme(JYD)テクニカルパートナー」を締結しました。JYDとは、JFAの活動を通じて社会、地域、企業の課題を解決するプログラム。「2030年までに25億の人々の生活を向上させる」という目標のもと、共に歩みはじめたJFAとPHILIPSの取り組みについて、JFAの楢﨑克之さんと、株式会社フィリップス・ジャパンの茂田井忠正さんに伺いました。

〈JFA Youth &Development Programme 連載記事はこちら〉

#0 日本サッカー協会が目指す、パートナーシップのあり方。サッカーだからこそできる課題解決

#1 「当たり前にある安心」を求めて。モルテンは黒子として日本サッカーを支え続ける

#2 すべてのサッカー選手のケガを防ぐために。ニチバンがJFAと組む理由

#4 日本サッカー界に帰ってきたフジタ。JFAと進める、芝生のある街づくり

#5 日本総研が目指す、「サッカーから始まるまちづくり」とは?

#6 「24時間365日、ポケモンのことを考えている会社」は、なぜJFAと契約したのか。

 

なによりも大切なのは「ビジョンの一致」

楢崎:JYDにはいくつかのご協賛プランがあり、その内の一つが「JYDカテゴリーパートナー」です。【Youth】【Women’s】【Technical】【Green】【Senior】【Referee】と6つのカテゴリーに分かれており、今回PHILIPS様と締結させていただいたのは【Technical】領域です。具体的には選手育成(トレセン(男子)/JFAアカデミー福島(男子))・指導者養成事業が対象領域となります。

茂田井:PHILIPSは、「診断・治療から健康・予防へのシフト」、また、「一人ひとりのニーズに寄り添うヘルスケア」といった方針の下、オランダにあるPSVアイントホーフェンというサッカーチームへの出資を100年以上継続しています。そこでは、革新的な医療テクノロジーを活用し、プレーヤー・スタッフ・従業員のパフォーマンスと健康の向上、さらに、地域への展開といった社会的つながりを重視しています。日本においても同様に、2019年に「スポーツ×ヘルスケアから得られる有効な施策やプログラムを一般の方々に展開し、国民全体の健康促進に貢献する」ことを目標に掲げ、スポーツヘルス領域への事業拡大/深耕を開始しました。

そのような背景があった中、約2年前にJFA様からJYDについての説明を受ける機会がありました。そこで日本サッカー協会の田嶋幸三会長から「これからは全国で、地域住民の方に対しても健康事業を展開していきたいんだ」と、弊社社長の堤(浩幸)にお話しがありました。

 

弊社はもともと、全国の病院や一般の患者様だけでなく、地域住民の健康に資する事業も展開しておりますので、「ぜひご支援させていただきたい」と、お互いの目指すところが合致しました。

その後、約1年をかけて、具体的にパートナーとしてどのような活動をしていくか話し合いました。そして、枠組みが決まった2020年12月に『JYDテクニカルパートナー』として提携させていただきました。

JFA様とのご縁もあり、スポーツヘルス領域への進出がより加速しました。最近では様々なプロスポーツチームや個人のプロ選手、また大学病院のスポーツ整形医学の方々とも繋がりが増えてきております。私自身、PHILIPS、主にヘルスケアソリューションを扱っている企業に務めているわけですが、今ではスポーツに関わることの方が多い状況です(笑)。

認知度向上の観点で考えると、大々的にどこかのクラブをサポートする方が効果的かもしれません。しかし、私たちが大事にしているのは、先ほど申し上げた弊社目標やビジョンが一致しているかどうか。弊社は、拠出金を出すだけのスポンサーシップはやりたくありません。パートナーシップを結ぶにあたって条件や契約は必要になりますが、お金以上の価値や施策をしっかり特定することがなによりも大切です。この姿勢はJYDだけでなく、個人の選手や他のスポーツチームに対しても同じ姿勢で臨んでおります。

 

楢崎:ご要望をいただくだけではなく、私たちからも施策の内容や、ターゲット、進め方の部分などを提案させていただいております。協賛社とコンテンツホルダーという関係性ではなく、真のビジネスパートナーとして一緒にプロジェクトを推進していくことが大切だと考えています。

お互いのために、一度きりで終わらない活動を

茂田井:具体的な施策の一つは、口腔ケアの啓発活動です。いきなり弊社の製品を使っていただいて終わり、というのは私たちが望むものではありません。まずは歯科衛生士が複数回のセミナーを通じて歯の重要性をアカデミーの中高生に伝えています。口腔ケアの重要性を理解してもらった上で、弊社のソニッケアー(電動歯ブラシ)を使って磨き方の指導をします。

加えて、睡眠に関するサポートも行なっています。これも同じように、講師がセミナーを通して睡眠の重要性を伝えることから始まります。実施後のアンケートからは、意外にも睡眠で悩んでいる子どもたちが多いことがわかりました。

選手によって個人差もあるので、アンケートをはじめとした継続的な追跡の結果から、弊社の製品を使ったサポートの方法を個別に提案させていただいています。「サッカーが上手くなるために、口腔ケアや睡眠に関する改善を図りたい」という子どもたちの姿を見ると、より良いサポートしてあげたいと感じますし、日々の生活からその思いに応えてあげたいと強く感じます。

 

楢崎:アクティベーションを実施いただく中で大切にしているのは、一度きりの施策で完結させないこと。例えば、セミナーを選手に実施して「はい終わり」では、PHILIPS様にとっても、選手含めた我々JFA側にとっても効果が薄いものとなってしまいます。セミナーを実施した後の効果検証や次へのアクション含め、長期的なスパンでPDCAを回していくことで、協働価値を最大化できると考えています。こうした共通認識を持ちながら、スポーツの新たな価値を見出して社会に還元していきたいです。

茂田井:選手の健康面に対する施策以外では、別途ライセンス契約を締結して、サッカー日本代表のロゴの付いたブリーズマスクを今年10月に販売しました。JFA様とはビジネスパートナーでもありますので、お互いのメリットに繋がるようなプロモーションも行なっています。

このようなことも含めまして、JFA様とはとても良い関係性を築けていると感じています。私たちからの様々な提案に対しても、いきなりノーと言われることはありませんし、しっかりと受け止めていただいた上で、「ここはこうしていこう」と、建設的な話し合いをさせていただいています。何事にも一緒に取り組むこと、そしてwinwinの関係を続けることが重要です。

良質なデータが活動の幅を広げる

茂田井:PHILIPSは医療に関わる企業ですから、当然エビデンスにはこだわります。健康的な問題が生じる可能性があれば事前にチェックをして、リスク管理をするのは当たり前です。

口腔ケアや睡眠は、健康を維持する要素の一つに過ぎません。しっかり歯を磨いたから仕事のパフォーマンスがすごく上がるとか、よく眠れたから全てのシュートが決まるなんてことはないですよね。数字で測れない部分もあるので、トライアンドエラーを重ねていく必要があります。検証や経験から良かった部分を蓄積して展開させていくことが大切だと考えています。

JYDのプログラムの対象である選手たちは寮生活を送っているので、一般の子どもたちよりも日々の生活や健康に対する意識が高いと感じます。こうした選手たちの姿勢も、質の高い情報収集を後押ししてくれています。

 

楢崎:科学的根拠に基づく質の高いデータやソリューション含めたPHILIPS様のアセットを活用させていただけることは私たちも非常に感謝しています。「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。」というJFAの理念の具現化に大きく近づくものだと期待しています。

 

茂田井:多くの医療関係者とのネットワークも、PHILIPSの強みの一つです。国内外の最新技術や研究が集まってきますから、選手の声や悩みとかけ合わせて活動の幅を広げていくことが可能です。

自治体の方とお話をする中でも、地域住民の健康や医療施設の話題は必ず上がります。JFA様とPHILIPSが協力すれば、『JYDテクニカルパートナー』締結時からの目的であった「全国の健康問題の解決」に繋がると信じています。

 

JFA Youth &Development Programme について詳細はこちら!↓

JYDへの日本サッカー協会の思いもAZrenaで取材させていただきました!こちらもぜひご覧下さい!