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アマチュアでも日本代表になれるチャンスあり。サッカーでもフットサルでもない、「5人制サッカー」がアツい!

2016.11.30 / AZrena編集部

アマチュアを対象にした5人制サッカー、通称”F5WC”という大会があるのをご存知でしょうか?フットサルのコートでサッカー用の5号球を使う少し変わったフットボールです。アメリカで生まれたこの競技は2014年度に初めて世界大会が開催されたのですが、日本でも予選が行われています。そして、日本におけるこの大会の主催権を持っているのが、中田英寿選手のマネジメント会社としても知られる株式会社サニーサイドアップです。

 

仲間たちと組んだチームで全国大会を勝ち抜くと、そのチームで日本代表として世界大会に出られるという点も魅力の1つ。各チームから選抜されて作られる”日本代表”とは一線を画しています。そして、なんと前回の世界大会で日本代表チームは準優勝を収めました。

今回は世界大会準優勝をしたチーム「Tamachan」のキャプテンである村本武大さんと、サニーサイドアップで「アットホーム F5WC2016-2017」の運営事務局を務める五十嵐雅彦さんに、大会が始まった経緯とその魅力を語って頂きました。

 

五十嵐雅彦氏、村本武大氏

 

-F5WCについての概要を、教えてください。

五十嵐 フットサルでもなく、サッカーでもなく、“5人制サッカー”というこの大会独自のルールで行われるものです。これの世界大会の日本国内での開催権をサニーサイドアップ社が持っている、という形になります。そもそも、民間の会社が立ち上げているフットボールの世界大会ってほとんどなかったんです。そこで、世界大会の国内権利を持てるというのは、ものすごく可能性があるんじゃないか、と会社で話していました。そして、マーケットをリサーチした際にサッカーとフットサルの人口を見ていた中で、フットサルの大会がものすごくある中で、どこか一定のところで伸び悩んでいる部分があったんです。ただサッカーの大会は絶えずサッカー人口が動いており、高いコンテンツ力がある。そういう意味で、5人制サッカーはフットサルにもサッカーにも寄っていない真ん中のコンテンツとなるので、もしかすると双方のユーザーを取り込めるコンテンツになれるかもしれないというところがあったので、ものすごく可能性があるんじゃないかと。

加えて、”世界に行ける”ということが言える大会って、トップ中のトップにしか当てはまらない大会になるので、誰でも世界に行けるというのはものすごく新しい価値なんじゃないかなと。その2つが重なったので、お金がかかるけれど、それを払ってでもやるべきかなと思いました。ギャンブル的な要素はあったものの、誰でも日本代表になれるし、夢を与えられるというのはありますからね。協賛を募るために200社くらい営業に行きましたね。その中からアットホームさんに協賛して頂けることになり、非常に感謝をしております。

 

村本武大氏

 

-村本さんはF5WCをどこで知ったのですか?

村本 1年目の大会がまだ知られていない時に、知人を通して出場させてもらって、その知人も大会本部の人と近からず遠からず繋がっていて、広めたいんだけど参加人数が埋まらないという流れの時に呼んでもらいました。それで品川の予選に出たんです。その時はドバイの世界大会に行けるということで、半信半疑で出たのですが(笑)ただ、けっこうガチガチで。自分は予選のみ助っ人として出たんですけど、そのチームは全国へ行った後、ベスト8くらいで負けちゃいましたね。大会を知ったきっかけはそこです。普段は東京2部のフットサルチームでやっていて、そこまでレベルは高くないんですけど、大会でフットサルのチームがと対戦をすればチャンスはあるんじゃないかと1回目の大会で思っていたので、出ようと決めました。

ちなみに僕自身はずっと小学校からサッカーやっていました。高校は久留米高校(現東久留米総合)でプレーしていたんですけど、全然、レギュラーにはなれませんでしたね。

 

-そういった選手でも日本代表になれるというのは夢がありますよね。

五十嵐 村本さんは2大会目の日本代表になったんですけど、初回のチームのほうは社会人の方しか集まっていないチームだったんです。彼らから夢のある大会と教えてくれました。「18歳まで部活を頑張っていてプロ目指していました」と彼らは言っていたんですけど、部活で負けて自分なんかプロになれるわけないと思って、でもサッカーやフットサルがすきだからと続けてきた中で、ぽんと日本代表になれる大会があると言われて、参加をしたと。そして、優勝してドバイに行ってユニフォームに袖を通した瞬間、「自分が日本の誇りを持って戦わなきゃいけない」と感じたらしいんです。その言葉を聞いて、日本代表になれる大会を作るというのは、こういう機会を提供することなんだなと。ただ、世界に行くと日本ってけっこう低い評価で見られるんですよね。

 

村本 見た目もそうですけど、背が小さいとか、同じホテル泊まっても何しろ日本人のチームが一番くらいに弱そうに見えるんですよ。外人は背小さくてもガタイがいいので(笑)

 

五十嵐 逆にそれで反骨心を持って臨んでくれると誇りに思いますし、もっとこの大会を続けるべきだと感じましたね。

 

-コートの大きさはフットサルで、ボールは5号球ですが、やってみて感覚はどうですか?

村本 フットサルに慣れている人からしたらやりづらいですね、ボールが大きいので。ただ、大きくなったので扱いやすさはあります。フットサルをやっているチームとやると相手にミスが起きることは多い印象です。

 

五十嵐雅彦氏、村本武大氏

 

-そもそもこれは誰が考えたんでしょうか。

五十嵐 もともとアメリカのマーケティング会社が作ったスポーツなんですけど、フットサルでもいいんじゃないか疑惑があったらしいんですよ。ただそうなると世界大会の価値がなくなると。例えばフットサルが普及していない国としてアフリカが挙げられるのですが、“世界大会をやる時にアフリカのチームや中東のチームが来ません”となると、それは本当に世界大会なのかと疑問に思われるわけです。ただサッカーとなると世界中でやっていますし、W杯で出場国も多い。サッカーはできないけど5人制にすれば誰でも参加できるし、多くの国々が入ってくるから、それなら世界一が決められるんじゃないかということで、今の5人制サッカーが立ち上がったという感じです。

さすがアメリカはスポーツマーケティングの国だな、と思ったのが、権利を販売し、購入させるまでの道筋をしっかり描いているんですよね。それがすごいなと。実際に、価値を見出して32の国が購入しているんですよね。僕らがお金を払うので、彼らは世界大会だけを作ればいい。そのビジネスを考えられるのってアメリカだからだろうなと改めて思いました。フランチャイズをうまく活用しているんですよね。

 

-大会に出ていて普通の大会と違う部分と感じますか?

村本 Fリーグ級に練習しても関東1位になれる程度という関東リーグに比べて、お金を払って好きな仲間と出られて関東リーグ以上にメディアの方にも注目されて、周りの人が喜んでくれるチャンスがあるという点です。関東や東京都のフットサルリーグとは違いますね。世界にも行けて各国とガチでやれるのがすごい面白いですよ。

 

五十嵐 しかも、去年は準優勝ですから。イングランドはチェルシーU19だった選手がいましたし、すごいガタイがよくて「この人、プロなんじゃないか!?」と思うような選手がいた中で、僕自身驚きの連続でした。

 

村本 すごく印象的だったのが、南アフリカと決勝トーナメントやった時です。技術に関してはウチのほうが上だったんですけど、ゴール前でボールを奪った時に、ゴムゴムの実を持っているんじゃないかと思うくらいにビローンって足が伸びてきて(笑)身体能力や間合いが違うというか…。結果的に最後、残り5秒くらいで決勝点を決めて勝ったんですけど、南アフリカの選手は負けて泣いて悔しがっていて、「そんなに高いモチベーションだったんだな」と思いました。ただ、逆に準決勝でやったアイルランドは準決勝まで来てPKまでいったからもういいかな、くらいで。終わった後もお互いたたえるような感じでしたし、その中で優勝したコロンビアはすごい大喜びでしたね。本当にプライドを持ってやっていたみたいな。次元が違いましたね。本当にずるがしこさがすごくて、日本人は真面目すぎるなと。そういうことを感じ取れることって、そうないですよね。

 

五十嵐 面白かったのが、国によってサッカーをしているのかフットサルをしているのかが分かれるということ。それは、この大会ならではの魅力なのかなと。

 

村本 勝ち上がるほどフットサル寄りのスタイルのチームが多かったです。アイルランド、コロンビアの選手も『フットサルをやっているよ』と言っていましたし、タイもフットサルの国ですしね。トルコは完全にサッカーだった印象です。

 

-その中で、サッカーを本気でやっていた時を思い出すのではないでしょうか。

村本 「プロになりたい」という夢は少なからず誰でも持っていたと思うんですけど、それが叶わず。でも、サッカーを続けられる環境がずっとあって、大学でフットサルと出会ってフットボールと関わる時間が増えたことによって、徐々に自信が持てることもあると思うんです。フットサルを通して仲間も増えて技術的なものもどんどん上手くなっていく、と。プレーしている人ならわかると思います。「昔より上手くなったな」と。それを出せたのがこの大会でしたね。全部がうまくつながったような感覚もあります。

 

-最後に、“どんな方に出てほしいか”という点を含めて、この大会の魅力を改めて、教えて下さい。

五十嵐 16歳以上なら誰でも出られます。ですから、高校生であれば選手権に出られなくて、そのメンバーと最後にやり残したことがあるのという思いがあれば、出て、全国と世界を目指してほしいなと。大学生であれば卒業の思い出に出てもらいたいですね。2月に日本で決勝大会があって、5月のゴールデンウィークに世界大会があるのですけど、大学の友達と最後に蹴るのが2月、卒業して最初にプレーするのが5月になってほしいなと。そういったプレーを続ける場として出てほしいです。社会人はもう一回夢を追い求めてみませんか、というところですね。

 

村本 プロになりたかった若い人も、もう一回違う道でチャンスはあると思いますし、30歳、40歳の人は近親者に喜びを与えるために、という意味でも参加してもらうのが良いかもしれません。僕も母親が決勝大会を見にきてくれました。勝ちたいから、ではなく、喜んでもらいたいから勝つという感じでしたね。“人のため”にという思いを持って臨むのも良いかもしれません。
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