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現役医師が開発。Bリーガー愛用の滑り止め「Grip-Spray」誕生の裏側[PR]

2019.12.20 / 中村 僚

世界的に最もポピュラーだと思われているサッカーを差し置き、世界最多の競技人口を誇るスポーツがバスケットボールということをご存知でしょうか。日本でも2016年よりプロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」が開幕し、バスケ熱は高まっています。

 

そのバスケ選手の悩みとしてよく挙がるものが、手の滑り。ボールが手につかず滑ってしまうことが多々あるとのこと。バスケシーズンの冬は気候的にも湿度が低くなる季節。うまくグリップできずにプレーを失敗してしまうのは、バスケプレーヤーにとって「あるある」のようです。

 

そこで開発されたのが「Grip-Spray」。基礎化粧品と同じような成分を用いて手を保湿することで、グリップ力をアップさせる製品です。

開発者である名古屋中央クリニックの鈴木秀明医師に、「Grip-Spray」の開発の裏側を伺いました。

 

写真・撮影:黒川 真衣

 

発端はチームメイトが使っていた保湿剤

―「Grip-Spray」を開発するきっかけはなんですか?

私自身もバスケをプレーしていましたが、冬場になるとなかなかボールが手につかないんです。そこで滑り止めを探したのですが、ハンドボールなどの他競技の滑り止めは多数あるのに、バスケ専用の滑り止めはなかなかなく悩んでいました。

 

そう思っていたときに、大学のチームメイトにアトピー性皮膚炎を抱えた選手がいて、彼がいろいろな薬を塗っていたんですよね。その中に乾燥を防ぐための保湿剤があり、試しに私も使わせてもらったら、グリップ力が上がったんです。手のベタつきもないし、水で洗えばすぐに落ちるので、「これはいいかもしれない」と。そこから練習のたびに借りるようになり、周りの人たちにも勧めるうちに、「これでビジネスができる」と思い、成分を聞いて開発を進めていきました。

 

―ボールが滑ってしまうのは、やはり乾燥による部分が大きいのでしょうか。

乾燥が大きいと思います。選手によっては、試合中に自分の汗を手で拭ったり、NBA選手はツバをつけたりします。ただ、汗やツバだとすぐに乾いてしまいますし、そのたびに濡らすわけにもいきません。僕自身も乾燥によってプレーを失敗してしまった経験は何度もありますし、周りにも乾燥に悩んでいる選手は多かったです。

 

―いつごろから開発を始めたのでしょうか? また、こだわった点はありますか?

私が学生だった2000年ごろです。一番こだわったのは、肌への優しさ。実は化粧品や保湿剤などに含まれている成分と同じものが入っているので、顔やかかと、あかぎれなど、肌荒れの箇所にも塗れるんです。子どもや妊婦さんが使っても問題ありません。これを使って手が荒れたりすることはほとんど考えられませんし、そういったクレームを受けたこともありません。ただ、このパッケージデザインだと、なかなかそういった用途で使う方はいませんが(笑)。

 

もうひとつは、グリップ力が上がるように濃度や成分の調整をしました。実用性がなくては意味がありませんから。今でも自分でバスケをプレーしているので、自分で塗ったり周りの人にも使ってもらったりして調整したんです。最近では濃度をより高めた強化版も発表しました。人によってはより持続時間が長い方がいいという方や、よりグリップ力を高めたいという方もいますからね。

 

―アトピー性皮膚炎の薬がスタートということですが、そういった症状をお持ちの方、あるいはそこまで行かなくとも肌が弱い方などは、手に直接塗るタイプの製品に対して心理的なハードルがあると想像します。

もちろんありますし、購入前の問い合わせはいただきます。「Grip-Spray」は薬品ではないので、「肌荒れが治ります」といった謳い方はできません。ただ、安全性が担保されていること、病院のドクターが監修している製品であること、使っている成分などの説明はできるので、納得していただいて購入してもらっています。

 

―Grip-Sprayと他社製品の違いはなんでしょうか?

他社さんの製品は粘着性に頼ったグリップ強化です。また、持続時間もあまり長くありません。油性のものやニスを使用した製品も存在し、ボールや体育館を汚してしまう可能性があり、匂いも特徴的です。それらの製品の多くは海外製なのですが、ボールが滑る理由は外国人選手と日本人選手では異なります。海外の選手は手がベタベタしすぎているんで、逆に乾かすためのパウダーが含まれていることもあります。「Grip-Spray」は水溶性なので肌に優しいですし、水で洗えばすぐに落ちるので、ボールやコートを汚したりすることはありません。

 

滑り止めがパフォーマンスUPに?

―手が滑ってしまう要因のひとつに、ボールそのものの素材もあるのでは?

それはあります。新品のボールは滑りやすいですし、素材や編み目、面の数が変わって、それが原因で滑ることもあります。ただ、「Grip-Spray」ならそういった滑りにも対応できます。ボールの問題もありますが、最大の要因は手の乾燥です。

 

―グリップ力が上がれば怪我の予防にもなるのでしょうか?

「Grip-Sprayによって怪我を予防できます!」とは言えません。ただ、ボールが滑らなくなることで、間接的にパフォーマンスが上がることは間違いないでしょう。指先までしっかりとグリップができれば、例えばレイアップシュートも投げる感じにはならず、最後の瞬間までボールの感触を確かめながらシュートができます。プレーレベルが上がれば上がるほど、指先のわずかな引っ掛かりが成否を左右しますからね。

 

―試合中にボールが滑ってしまう、あるいはその恐れがあると自覚しながらプレーすると、やはりプレーにも大きな影響があるのでしょうか?

ものすごくあります。ボールがしっかりと掴める確信があれば、例えばパスが届く前に周囲を確認して、すぐ次のプレーに移ることができます。それに対し、まずボールを掴めるかどうかわからない状況では、ボールを掴んでから次のプレーを考えなくてはなりません。その差は大きいですし、僕もたまに自分でプレーしていますが、試合で「Grip-Spray」を忘れてしまったらかなり動揺すると思います。

 

―チームメイトや対戦相手にも「Grip-Spray」を使っている選手はいますか?

かなり見かけますね。チームメイトが使っていて、私が開発者だと知らずに「これめっちゃいいよ」とおすすめしてくれたこともありました(笑)。相手のベンチに転がっているのも見たことがありますし、最近ではBリーグの選手たちも使ってくれています。そういうのを見るとやっぱり嬉しいですね。

 

手売り販売スタートからBリーグへ

―ビジネスの観点からもお話を聞かせてください。2000年に開発されて、当初はご自身で手売りされていたんですよね。

そうですね。知り合いに譲ったり、ネットでECサイトを手作りしたりしていました。開発当初は100円ショップで買えるような安いボトルに入れていましたし、デザインもチープだったので、なかなか売り物として出すのは難しかったです。なので、まずはとにかく使ってもらって「Grip-Spray」の効果を体感してもらってから、徐々に販売へシフトしていきました。

 

2017年からは、開発にも携わっていただいたiSportsみらいの山崎さんに入ってもらって、販売とプロモーションを委託しています。

 

―手売りから始まって、現在はBリーグの選手にまで流通しているのは、なかなか簡単なことではないのでは?

選手1人が1本買うと、チームメイトにも貸して使ってくれるんです。そこから評判が広がって、選手がリピートしてくれたり、チームがまとめ買いしてくれたりします。アマチュアの選手には2、3チームにまたがって所属している人もいるので、そうやって徐々に口コミで広がっていきました。特にマーケティングを狙ったわけではなく、本当に勝手に広がってくれたんです。それもあって「Grip-Spray」の製品の質により自信が持てるようになり、雑誌広告などに出稿するようになりました。

 

―バスケでは靴の滑り止めは多く発売されていますが、手の滑り止めはあまり聞きません。「Grip-Spray」をはじめとして、手の滑り止めはどれくらい認知されているのでしょうか?

認知度はまだまだ低いと思います。今でこそiSportsみらいさんに関わってもらっていますが、私が個人で手売りしていたころは、まだまだ手作り感が満載でしたし、宣伝はあまりできませんでした。まずは、バスケにおいて“手の滑り”は改善できる問題であること、それを解決できる製品があることを宣伝していくことが必要だと思います。

iSportsみらいさんのホームページでもブログを書いているのですが、徐々に認知度は広がっていると感じます。よりマーケティングリサーチを進めて、この問題で悩んでいる人にピンポイントで届けたいですね。

 

―最後に、この製品をこれから使おうとする人にメッセージをお願いします。

冬場にボールが手につかないのは、バスケをやっている人の中では「あるある」だと思います。それで悩んでいる方にはぜひ使ってもらいたいですし、使ってもらえれば「Grip-Spray」の良さがわかると思います。ぜひ一度使ってみてください。