カレッジスポーツは変化の渦中に。ビジネス面の問題をクリアできるか
カレッジスポーツには、スター選手をスタジアムで気軽に見られることや、プロスポーツにはないアマチュア独特の雰囲気を味わえること、OB・OGと現役生との一体感が生まれることなど、様々な魅力がある。一方で、アマチュアならではの議論が必要な面も少なくない。
その中でも肖像権やメンタルヘルスの問題は、収入や人気、慣習に応じて異なるため、画一的なルールを定めるのが難しい。
全米大学体育協会(NCAA)は、カレッジスポーツ選手が肖像権を利用して収入を得ることを認めている。
また、2018年には、NBAのスター選手であるケビン・ラブ(クリーブランド・キャバリアーズ)が、自身のメンタルヘルスとの戦いについてエッセイを執筆。このエッセイが発端となり、カレッジスポーツ界でもメンタルヘルス問題が議論されるようになった。
Earlier this season, @KevinLove had a panic attack.
Now he wants to talk about it. https://t.co/U5TeITdUb3
— The Players' Tribune (@PlayersTribune) March 6, 2018
さらに、スタジアムを取り巻く問題もある。かつて、スタジアムは大学のシンボルとして、収容人数を意識して作られていた。しかし、カレッジスポーツは、プロスポーツのように数十年後にスタジアムをリニューアルする財力は持ち得ていない。そのため、施設の老朽化が進んでしまう。
そこで現在は、スタジアム・エクスペリエンス(観戦体験)を重視したスタジアムの建設が行われている。時代の流れも考慮し、来場者の満足度を高める設計を進めることで、収益化にも繋がっていくのだ。
カレッジスポーツは変化の渦中にあり、今後の展開に期待が高まる。海外での熱狂の波が、日本にも押し寄せることを願いたい。