スポーツと社会の間に信頼関係を構築する、サニーサイドアップの仕事

2017.05.25 AZrena編集部

スポーツという切り口で、世の中にどういったものを生み出していけるか、それが情報なのか、それともお金なのか、地域なのか、人を動かすことなのか、スポーツをすることで人々の幸福度を上げる仕組みなのか。例を上げていくと色々なものがあると思います。そういったものをもっと包括的に見たときに、スポーツ産業の捉え方が少しずつ変わってくる。そこで、様々な方向からスポーツを活用すれば、仕事だったり社会だったりに、何かしら貢献できることがあると思っています。(株式会社サニーサイドアップ スポーツプロモーション部/内藤裕志氏)

NPO法人スポーツ業界おしごとラボ(通称・すごラボ)の理事長・小村大樹氏をホスト役として行われている「すごトーク」。今回のゲストはPR会社・株式会社サニーサイドアップの内藤裕志氏です。

大学を卒業後、株式会社アルペンなどを経て渡米し、スポーツ経営学の修士課程を取りながらAHLプロホッケー球団に勤務。卒業後はアメリカのスポーツマネジメント会社で新規事業開発や国際セールス&プロモーション部門を主に担当したほか、スポーツ産業研修や事例研究プログラム、スポーツイベント事業を統括しました。

帰国後は株式会社サニーサイドアップでスポーツを主軸としたオリンピック招致活動やマラソン大会の運営、国内外企業との新規事業案件などに携わっています。

スポーツで社会をデザインする、替えが効かない企業。

今日のテーマは『スポーツで社会をデザインする』です。

スポーツという切り口で、世の中にどういったものを生み出していけるか。スポーツというコンテンツを使って叶えられるものは、単にスポーツを盛り上げるだけではなく、例えばスポーツを通じて企業ブランディングをしたり、クライアントのサービス会員新規入会促進を行ったりと、様々な事例が挙げられます。つまり、社会に対して色々なスポーツの活用の方法があるのです。

現在私が働いているサニーサイドアップという会社はPRというサービスを主軸とし、主にクライアントに対して社会が興味関心を持ち、ステークホルダーとの相互的なコミュニケーションを提供することで、ビジネスを形成しています。

その中でスポーツ事業部の具体的な事業としては、例えば著名人のマネジメントを行っています。スポーツ選手でいくと元サッカー日本代表の前園真聖さんとマネジメント契約をさせていただきました。ご縁あって、その前園さんがアトランタ五輪代表合宿の時に同室だった中田英寿さんとも契約をさせていただき、今のお付き合いに繋がっています。更には、競泳の北島康介さん、女子テニスの杉山愛さん、陸上競技の為末大さん、ゴルフの上田桃子さんなど、様々な競技の選手とともにお仕事をさせていただきました。

今では、人のマネジメントだけでなく、私のようにイベントなどを運営したり、マーケティングやコンサルティングのような無形物のソリューションを提供したりと、サービスの幅が広がってきています。いつも私が考えているのは、“代わりがきかない会社”、“なくなったら困ると思われるような会社”という立場の会社でいたいということ。困っているときに「サニーサイドアップさんだからこそお願いしたいんです」と言ってもらえたら、私たちはハッピーです。

ここまでの話からも分かっていただけているかと思いますが、サニーサイドアップは正直なんでもやります。PRをはじめとし、マーケティングでもイベント運営でも、なんでもです。私たちの強みは、”ワン・ストップ・ソリューション”。つまり、私たちのネットワークの中で、クライアントが求める全てを行えるということです。

PR会社の役割は信頼関係を作ること

PRという言葉を聞いたことはありますか?これは“public relations”、つまり信頼関係です。このPRという概念はアメリカからやってきたもので、その定義は、「組織体とその存続を左右するパブリックとの間に、相互的に利益をもたらす関係性を構築し、維持するマネジメント機能である」という風に、難しいことが書いてあります。

この定義をかみ砕くと、まずサニーサイドアップに仕事を依頼してくる人・企業であるクライアントは自身にとっての顧客や取引先などの利害関係人となるステークホルダーとコミュニケーションが取りたいと考えています。そしてこの二者間で双方向でのコミュニケーションを促し、信頼関係を作る。どうやったらお互いがコミュニケーションを取れるのかを考える。それがPRだと、私は考えています。

例えば、弊社は世界32か国で広まっているF5WC(Football Fives World Championship)という5人制サッカーの大会を、日本国内で運営しています。今日本では3年目を迎えていて、国内での参加チーム数は約300チームで、競技者数は延べ約3000人。この3年で口コミやメディアなどを通じて徐々に広まってきてはいます。現在大会は不動産情報サイト会社に冠スポンサーを務めていただいているのですが、目的の一つに、顧客ターゲットになりうる10代から20代を中心とした生活者や消費者とのコミュニケーションポイントを構築するという意図があって協賛していただいていると考えています。

私たちはF5WCのようなスポーツイベントを作ることで、クライアントとなる冠スポンサー企業や他のスポンサー様達が、どんなステークホルダーに対してリーチしたいのかを常に考えています。

イベントの中でも、様々なスポーツメディアと連携をさせていただいたり、テレビ局へもアプローチをし、チームを追ってもらって番組を作ってもらうことで大会自体のプロモーションをしたりと、メディアを活用したリーチの方法は様々です。クライアントとステークホルダーをどのようにして繋げるのかを考えるのが、私たちの仕事です。

スポーツにさらなる価値を生み出す架け橋になる

単に、スポーツへ投資してくださいといっても誰も投資をしてくれません。スポーツというツールで組織や企業の目的を達成させるマーケティングの仕方を考えます。例えばスポーツに参加したいという希望と社会に対して貢献したいという気持ちを掛け合わせたスポーツチャリティという考え方があります。あるいは東京五輪やラグビーW杯の開催を契機に、どのようなビジネスが出来るのか。日本での新しいスポーツビジネスのコンテンツとなりうる(※)スポーツホスピタリティの考え方を広めていくことや、海外の観光客を誘致促進していくことなど、他産業とも連携した様々な事業展開があります。

※スポーツホスピタリティ:スポーツそのものの価値だけでなく、スポーツを通して生み出される健康や消費意欲の増進、人々の絆の強化等、その他の部分での価値。

私たちは、スポーツを普及するために、様々なコンテンツを企画しています。でも、継続的に普及させるためには資金を作らないといけないわけです。そして資金を作るためには、そこに投資させるコンテンツにしなければいけないということです。

先ほど話したF5WCも同じで、資金を投資してもらえるものを創り、それに値する価値や活用方法を生み出すことで、お金を出してくれる企業や組織を集める。またそのスポーツコンテンツに興味や関心を持ってくれる個人や生活者を増やし、コミュニケーションができる母数や社会的価値を引き上げることで、更に投資家たちの興味を引く。このような事業の拡げ方の発想に至りました。その考えのもと、新しい大会(コンテンツ)を創ったりしているわけです。

繰り返しにはなりますが、私たちは相互的なコミュニケーションが生まれるコンテンツを創り、スポンサーとステークホルダーをどう結ぶか、ということを提供しています。

2020年以降もスポーツが社会に不可欠な存在であり続けるために

球団だったりスポーツのマーケティング会社だったり、トレーナーやコーチになることがスポーツ業界で仕事をすることとは限りません。コカ・コーラやレッドブルなどの飲料会社、さらには保険会社などまで、今やスポーツというコンテンツを使ってマーケティングをしています。それを私たちがもっと価値あるものにしていく、または作っていくことによって、2020年以降、五輪が終わっても、「マーケティングをするうえで、やっぱりスポーツって重要だよね」といった共通認識が確立出来るのではないでしょうか。

スポーツという切り口で、世の中にどういったものを生み出していけるか、それが情報なのか、それともお金なのか、地域なのか、人を動かすことなのか、スポーツをすることで人々の幸福度を上げる仕組みなのか。例を上げていくと色々なものがあると思います。そういったものをもっと包括的に見たときに、スポーツ産業の捉え方が少しずつ変わってくる。そこで、様々な方向からスポーツを活用すれば、仕事だったり社会だったりに、何かしら貢献できることがあると思っています。

今日は、色々な方向からバラバラと情報を提供しましたが、とにかく様々な方向からスポーツを活用して、仕事だったり社会だったりに、何か貢献できることがないか、模索し続けていきたいと思っています。

内藤氏(左)とすごラボの小村氏(右)