ファンに特別な体験を。ventusはクリエイティブの力でスポーツ産業を盛り上げる【PR】
会社の屋台骨を支えるクリエイティブディレクターの藤原奏人さんは、創業時からventusに関わり、これまで多くのクリエイティブを手掛けてきました。幼少期からデザインを学んだ藤原さんですが、スポーツの経験は一切ありません。そんな彼がこの世界に身を置く理由とは。
NPBの埼玉西武ライオンズと千葉ロッテマリーンズ、そして日本相撲協会が展開している「電子トレカ®︎」。株式会社ventusが運営するこのサービスに、この春より東京ヤクルトスワローズも加わりました。1年間で1,500〜2,000枚のトレカがリリースされており、そのほかにはないデザイン性や幅広いバリエーションがファンから好評を得ています。
<株式会社ventus 代表取締役社長・梅澤優太氏のインタビューはこちら!>
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会社の屋台骨を支えるクリエイティブディレクターの藤原奏人さんは、創業時からventusに関わり、これまで多くのクリエイティブを手掛けてきました。
幼少期からデザインを学んだ藤原さんですが、スポーツの経験は一切ありません。そんな彼がこの世界に身を置く理由とは。そして、『全てのファンが、自分の「好き」に誇りを持てる世界をつくる』をミッションに掲げるventusが考える、クリエイティブやデザインがスポーツ界に与える影響についても伺います。
“非スポーツファン”としての強みと弱み
ーまず、藤原さんとventusの出会いについて教えてください。
藤原 僕がデザインをやり始めた経緯も絡んでくるのでそこからお話させていただきます。僕の実家はアパレル経営をしており、父親が経営で母親がデザイナー。その影響もあり、小さな頃からもの作りをしていました。始めはお絵かきからのスタートでしたが、それもちょっと変わっていて。母親が服のデザインにIllustratorを使っており、その影響もあってPCを幼い頃から触っていたんです。そして、幼稚園の年中〜年長のときにIllustratorでお母さんの似顔絵を初めて描きました。それが自分が一番最初に作ったデジタル作品ですね。
ー幼稚園の時点でイラレで作品を作っていたと。
藤原 はい。そこから創作にのめり込み、高校時代は文化祭で出し物のロゴを作り、大学では学園祭の運営組織に入り、広報物のデザインを手掛けていました。その延長線でとあるビジネスコンテストの運営も手伝っていたんです。社長の梅澤に出会ったのはここでした。僕は運営側・メンターとして、雑談に近い形で彼のビジネスアイディアを聞いていたんです。その会話の中で僕がデザインをやっていることを話したのですが、梅澤がこれを覚えており、起業したタイミングで声をかけてくれました。
ーなるほど。
藤原 スポーツチームの電子トレカのサービスを作るにあたって、デザイナーが必要だ、と突然言われました(笑)。それまで、デザインはそれなりに勉強してきたのですが、全くスポーツを見てこなかったんです。そこは正直不安だったのですが、直感的に「面白そうだな」と思ってジョインすることを決めました。
ースポーツを全く見ない・しないとなると、デザインにもマイナス面に影響することはありそうな気もします。
藤原 それぞれのスポーツにおける “ファンの中での共通認識”が欠けて苦労することはありました。例えばある選手に対して「彼は守備が魅力的だよね」というファンの総意があったとします。でも、その評判や思いを掴みきれていないと、試合でその選手の打撃の場面を格好良いと思ったら、それを切り取ってデザインしてしまう。でも、ファンからすると見たい姿ではないので、少し「違うな」と思われてしまいます。
このあたりの感覚や知識を身に着けるまでは苦労しましたね。なので、ファンが喜ぶ瞬間を学ぶためにSNSや動画配信サービスで配信されている試合動画の切り抜きを見て、どの瞬間にファンが最も喜んでいるか、どういったリアクションをしているか、をチェックします。デザインを作るときにユーザーが嬉しいと思う部分を削ってしまうのはいけないので、そこはかなり見ていますね。
ーその中で発揮される藤原さんの強みとはどういう部分なのでしょうか。
藤原 “引っ張られない”ことが強いと思います。例えばプロ野球だと、“プロ野球っぽいデザイン”があると思うんです。でも、そこを踏襲するのではなく、僕は違うところから受けたインスピレーションを反映させています。例えばミュージックビデオを見て、その表現が使えそうと思ったら取り入れる。“スポーツ一般” のグラフィックに引きずられないように、という意識はあります。それが今のトレカデザインなどに活きていると思いますね。
ーちなみにですが、デザインはどのようにして学んだのでしょうか?
藤原 誰かに従事したり、スクールに通って学んだりした訳ではありません。大学も芸術系の学校ではないし、完全に独学です。UI・UXについては世の中にあるWebサービスをたくさん触って、そこから学びました。トレカのような一枚絵については優れたファンアートや映画のポスター、CDのジャケットなど。映像は、ゲームの演出や映画の予告編などを勉強材料にしています。あらゆるクリエイティブは、消費者として自分が触るものが完成形なので、それを見てその裏にある共通する基本構造を学び、真似て作ってみて……の繰り返しですね。
ーその中で、アニメーションや音楽がついたトレカになったりと、作られているもののクオリティもだんだんと上がっている印象があります。
藤原 これだけたくさんのカードを作っているので、デザインチームとしてどんどん技術や経験が上がっている実感はあります。また、定例の打ち合わせで、営業サイドと一緒に海外のスポーツチームのファンアートやクリエイティブを見ながら「こういうのをやりたいね」という話をします。やっぱり海外のクリエイティブは格好良いものが多くて、デザイナーとして「こんなものを作りたい」という創作意欲が湧きます。そこで新しい目標ができて、自分のスキルを上げていこうと思う。その繰り返しですね。
また、質の高いコンテンツを作る上で大きなアドバンテージになるのが写真などの素材の多さです。プロ野球球団や協会が持っている素材・写真の量はかなり多い。公式グッズを作っている感覚なので、それらが豊富に使えるんですよね。試合のワンプレーや取組中の連写もあれば、練習や試合前の談笑中の写真もある。そういった多くの素材からいい瞬間を選んでファンが喜ぶものを作り出す作業は楽しいです。
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ー今お話があったように、日本に比べて海外のスポーツチームのクリエイティブは優れていると。
藤原 最近、知り合いのデザイナーが『アメリカのスポーツチームはデザイナーを抱えているけど、日本はそうではない』と言っていました。営業サイドからも聞くのですが、海外はチームの中にデザイナーが常駐している、専任で雇っているケースが多いと。だから「○○を作ってほしい」と営業側が依頼したらすぐに作れる体制がある。社内でコミュニケーションが完結するので、そこにズレも生まれにくい。
一方で日本のチームだとそこまで体制ができていないし、デザインやクリエイティブの部分に人材やお金をかけきれていない事が多いのが現状なのかなと思います。そこは産業規模とか、歴史の違いにもなってくるのかなと。
僕たちがやっているのは、スポーツチームや団体が作りたくても作れないクリエイティブを作ることに加えて、それをマネタイズの領域まで持っていくこと。例えば、リアルタイムで試合を確認しながら選手のメモリアルな瞬間にトレカを作る体制を整えるとか。そういう意味では今の日本に足りない、スポーツチームに常駐するデザイナーに近い働きは出来ているのかなと。まだまだここの精度は高めなければいけないですけどね。
個人では味わえない喜びが、スポーツにはある
ースポーツ業界に“デザインの力”はどのような影響を与えられると考えていますか?
藤原 例えば、好きな球団のグッズがあまり格好良いものでなければ、シンプルに買いたいと思わないですよね。簡単にいえばそういうことだと思います。デザインの力は間違いなくファンの「モチベーション」に影響するし、すごく本質的なことだと思います。デザインを良くすることが売上に直結するかと言われたらそれ以外の要素も多いし、もしかしたらベタな、「ダサい」グッズのほうが売れることもあるかもしれない。でも、いいデザインはファンの方のモチベーションを上げてくれるし、チームとファンの一体感を生む、とても大事なものだと思っています。
ースポーツ業界にももっといいデザインが広がっていけばいいですよね。ただ、そのためにはデザイナーがこの業界にも増えなければいけません。どういったデザイナーがスポーツ業界に向いているとお考えですか?
藤原 スポーツでなくても、何か別の“フリーク”であることが大事になってくるかなと思います。ファンのためのものを作るには、なにかの熱狂的な“オタク”の気持ちがわかることが大事だと思いますし、何かに熱中した経験があることが重要です。僕にとってはそれがデザインだったので。業界の外の人にとっては、最初はスポーツ界やスポーツファンの“常識”に戸惑うかも知れないですが、何かに足して強い熱量があればその理解も早い。
また、自分の作る一点のものに集中できる人、微妙な違いに気づける人は向いていますよね。数ミリのずれが全体に影響していることに気付けて、それを自分で考えて直せる人。
デザインという作業は、“頼まれた物を作る” ことですが、基本的には自分でその企画を読み解いて、どういうデザインが適当なのかを自分の頭で判断して、考えて作ること。この能力は必須かと思います。特にスポーツ界ではデザイナーに限らずこういった自主性がある人が求められるような気はしています。
ーありがとうございます。最後に、デザイナーとしてあえてスポーツ業界で働くことで得られる喜びや“やりがい”を教えてもらえますか?
藤原 例えば僕1人が勝手に選手の素材を拾ってファンアートを作ってSNSで発信しても、100人くらいにしか見てもらえないと思います。だけど、自分の作ったクリエイティブをチームや協会という大きい箱に乗せて発信してもらうことで、ファンの方から良い反応をたくさんもらえるんです。これは個人ではなかなか味わえないことですし、スポーツファンの熱量は凄いものがあります。このリアクションがもらえる環境にいられるのが、大きなやりがいの一つですし、ファンの人達から良い反応をもらうために自分の力をもっと付けていきたいと思います。