パートナーの課題解決を。セレッソ大阪はデジタルマーケで顧客と寄り添う

2021.08.16 AZrena編集部

昨今、パートナーシップのあり方に変化が見られます。IT技術の進歩やファンの行動変容によって、プロスポーツクラブのパートナー営業は一昔前の「看板やユニフォーム枠を売る」といった単なる広告露出にとどまらない施策が求められてくるようになりました。

このような環境の変化を受け、サッカーJ1リーグに所属するセレッソ大阪(以下「セレッソ」)においても、新たに様々な取組みを行なっています。

そのような取組みの一環として、この度、セレッソはパートナー企業とのコミュニケーションを強化し、提供価値の最大化をはかるためにマーケティングオートメーションツールの導入や企業向けLP(ランディングページ)の開設、企業向けメルマガ配信などのデジタル施策をスタートさせました。その施策導入の意図や背景、クラブが考えるパートナー営業のあり方について、事業部 ビジネスプロデュースグループの赤堀翔平さんと社長室・広報プロモーショングループの西家涼さんに伺いました。

(取材日:2021年7月21日)

 

パートナー企業の想いを“カタチ”に


事業部 ビジネスプロデュースグループの赤堀翔平さん

 

--セレッソがパートナー企業に対してどういったサポートやメリットの提供を行っているのかを教えてください。

赤堀 私は事業部のビジネスプロデュースグループに所属し、クラブを支援してくださる既存パートナー企業様とのアクティベーション企画・実施や、新たなパートナー企業様の開拓といった業務を担当しています。現在、セレッソは、約120社のパートナー企業様にご支援を頂いておりますが、近年、パートナー企業様がセレッソに求めることは多様化してきています。以前は、「地域や社会に貢献がしたい」、「自社商品の認知度向上をはかりたい」など、クラブを通じた情報発信力に期待されるケースが大半(“広告露出型”)でしたが、従業員満足度や採用力向上のためにセレッソのアセットを活用したり、セレッソがハブとなり、パートナー企業様同士での新しいビジネスの立ち上げや販路拡大をご支援するといった“課題解決型”へと広がりを見せています。

 

--パートナーメリットは“露出”のイメージがまだ強いですが、そうではないのですね。

赤堀 そうですね。スポーツチームのパートナーメリットは、広告露出だけではない課題解決型に変化していくことによって、パートナー企業様との間でWin=Winの関係性が生まれ、結果的に長期に亘る強固な信頼関係を築くことができると考えています。

 

西家 “持続性”に関しては、私も他部署の立場から見ていて、パートナー営業は属人的になりやすいとも感じていました。パートナー営業の担当者が、それぞれ異なる知見や人としての魅力を持っている中、チームの財産である共通のノウハウやスキルを効果的に活用して発信できている部分が少ないなと。そんな中で、普段デジタルを活用したプロモーション活動を行っている自分が何か貢献できないか?と考えました。それが今回、MAツールを導入したり、パートナー企業様向けの情報発信ページ作成に至った背景のひとつです。

 

赤堀 加えて、このコロナ禍の影響で、これまで行なってきたパートナー企業様とのコミュニケーションの機会が少なくなってしまいました。試合開催時の来場者数制限があったことも一つですね。その中でパートナー企業様との接点作りやセレッソを身近に感じて貰う機会を増やすために、新たにデジタルを活用したアプローチもしていこう、と。


社長室・広報プロモーショングループの西家涼さん

 

--西家さんはもともとデジタルマーケティングの分野に関わっていたんですか?

西家 現在私はクラブの親会社であるヤンマーからの出向という形でセレッソに関わっていますが、2016年にヤンマーへ入社後はプレジャーボートの事業を担当していました。そこで、営業の傍らデジタルマーケティングに従事していたんです。

ボートは高額かつ長期検討の商品という特徴があり、思い立ったらすぐに買うものではありません。ですから、営業担当の商談だけでなく、デジタルを活用してお客様の興味を引いたり、船を買いたいという購入意欲を高めるためにステップメールを送ったりといった、継続的、且つ丁寧なコミュニケーションを取ることが重要です。この経験が、今回セレッソのパートナー営業でMAツールを導入してデジタルマーケティングを強化していこうと思ったことも、背景のひとつにあります。

 
--ちなみに、どういった経緯でセレッソの一員となったのでしょうか。

西家 セレッソと関わりだしたのはヤンマーに入社後4年目からです。プレジャーボートの事業から経営企画部:デジタルマーケティング部へ移り、農業機械や建設機械のデジタルマーケティングに従事していた中、「セレッソでデジタルマーケティングの知見を生かさないか」というお話をいただき、セレッソの事務所へ定期的に通うようになりました。

ここではグッズの拡販からチケットの販促まで、デジタルマーケティングを活用することで貢献できる領域を中心に取り組ませていただきました。そうしているうちに、“セレッソの人”として中に入って直接貢献したい、もっとクラブの価値を高めていきたいという思いが生まれてきたんです。そして、2021年の2月から出向という形で参画することになりました。

私自身は大学まで部活でサッカーをしており、学生時代にはサッカーコーチのボランティアとしてスリランカへ赴任した経験もあります。人生の中でサッカーと触れ合ってきた時間も長く、関わっていきたいという思いは強かったんです。だからこそ、いまこうやって自身の強みを活かしながら、クラブの一員として取り組めていることは嬉しく思います。

 

セレッソを絶えず身近に感じる

赤堀 一つ目は、新規営業の強化です。MAツールを活用して、新たなお客様の獲得をより効率化できればと考えています。お客様データをスコア化し、セレッソのこのページをどれくらい見ていたか、どのタイミングで資料をDLしたか…などを可視化する。それぞれのアクションに対して点数をつけて、ある一定のラインを超えたお客様にセミナーへ案内したりスタジアムへ招待をしたり…ということに取り組みます。

二つ目は、既存パートナー企業様の関係性強化です。従来のサポーター向けに加え、新たにパートナー企業様向けのコンテンツを作成し、メルマガ配信を開始しました。いまは試合結果やクラブニュース、ビジネスプロデュースグループが伝えたいトピックスのみですが、今後は、パートナー企業様同士のビジネスマッチングに繋がるようなコンテンツも追加し、絶えずセレッソを身近に感じて頂くとともに、新たな価値を提供していけるような内容にしていきたいと考えています。

 

--デジタルを使った関係構築という面もあるのですね。

赤堀 以前、サッカーが好きな社長様から、そうではない方に変わり、そのタイミングでパートナー契約を解除する、ということもありました。先方の社長様と営業担当の関係性は強かったのですが、結局それは企業様とセレッソの関係性ではなかったんです。

先方にどういうニーズや課題があり、そこに対してセレッソがどう解決できるかを提示することができていませんでした。この経験から、改めて密にコミュニケーションを取ることの重要性を感じましたね。

--最後に、これからのパートナー企業との取り組みに対する想いを聞かせてください。

赤堀 昨年末は、多くのパートナー企業様から「苦しいときだからこそ継続したい」という声をいただいた時は本当に嬉しかったです。だからこそ、我々はクラブとしてその期待に応え続けないといけないと思っています。

もちろん去年と同じではいけないとも強く感じています。

 

西家 先ほど赤堀が述べたように、今回の取組の主な目的は新規パートナーを獲得していくことと、既存パートナー企業様のエンゲージメントを高めていくという二軸がありますが、個人的により大切だと思っているのは後者のほうです。

コロナ禍において、我々のようなサッカークラブだけでなく、パートナーとして支えていただいている企業様も大きな影響を受けていると思います。そのような厳しい環境下でも契約を継続してくださることに感謝し、改めてそのような企業様への恩返しの気持ちは忘れてはいけないな、と思いましたし、

今回の取組によって、パートナー企業の皆様にも、「他のパートナー企業はこんなことをやっているのか」「こういうことができるんだ」といった新たな気づきを感じていただけると嬉しいです。

まだまだ試行錯誤の中、いくつかの成功事例が出始めたばかりですが、今後も全力で取り組んでいければと思います。

 

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