menu

「アーマードバトル」とは何か? 実際に甲冑を着て体感してみた!

2016.06.24 / 森 大樹

アーマードバトルという競技をご存知だろうか? 名の通り、アーマー(よろい)を着て戦う競技だ。どんな試合が行なわれるのか、アーマードバトルの練習やスクール、試合などが行われている東京・目白「キャッスル・ティンタジェル」さんにお邪魔した。

アーマードバトル

実際によろいを着て戦う競技


アーマードバトルという競技をご存知だろうか? その名の通り、アーマー(よろい)を着て戦う競技だ。
 
この競技が特殊なのは、単なる防具にとどまらない、中世ヨーロッパの騎士が着るようなよろいを実際に身にまとうこと。
 
いったい、どんな試合が行なわれるのだろうか? そこでAZrena取材班は、中世ヨーロッパ文化の発信および、アーマードバトルの練習やスクール、試合などが行われている東京・目白の「キャッスル・ティンタジェル」さんにお邪魔してきた。
 
アーマードバトル体験
 
アメリカやヨーロッパには趣味で歴史を再現する団体が数多く存在し、彼らは生活スタイルや服装、食事などの細かい部分まで、忠実に当時の文化を再現することを楽しんでいる。アーマードバトルはその中の戦いの部分だけを切り取り、スポーツとしてやり始めたもの。

やがて競技は世界大会が行われるまでに発展。日本は2013年に初めて世界大会に参加。それをきっかけとしてジャパンアーマードバトルリーグを立ち上げ、現在に至る。
 

「キャッスル・ティンタジェル」で体験が可能


ジェイ・エリック・ノイズ氏
 
代表のジェイ・エリック・ノイズ氏もかつて、アメリカの歴史再現グループの一員だった。そこで鎧を着て行う戦いに興味を持ち、それからジェイ氏は中世の実際の剣術を学ぶため、ドイツの剣術家に弟子入りした経験を持つ。
 
キャッスル・ティンタジェルではアーマードバトルの練習・指導を受けられる他、歴史書などの資料を用いて紐解いた、実際の剣術テクニックを教えてもらうことができる。
 
アーマードバトル
 
キャッスル・ティンタジェルでは鎧の販売や細かいパーツの販売も行っている
 
アーマードバトル
 
アーマードバトルで使用する武器は短くて軽く、片手で扱える近接攻撃に向いているものから、長くて両手でしか扱えないが、破壊力のあるものまで幅広い種類から選べる。初心者向けのクラスではラタン製の比較的軽い武器を使用する。
 
ジャパンアーマードバトルリーグのルールでは着用する甲冑は14〜15世紀のものと決められており、年代や国が異なるパーツを組み合わせることは禁じられている。これなら歴史マニアも納得…? 日本の武士の甲冑を着用することも可能だが、その場合は戦国時代までのものでなければならない。
 
アーマードバトル
 
この方はオークションで室町時代の甲冑を購入して、それを実際に使用している。何だかもったいない気がしないでもない…。
 

実際に着て戦ってみた


 
弊社COO・馬場も甲冑を着用してみることに。
 
アーマードバトル体験
 
「重い…」それもそのはず。甲冑は全て装備すると25~30kgにもなる。皆さんに重さとそのリアルさが伝わらないので、馬場には甲冑を着てスキップしてもらった。
 

 
動いた時の音と体の重たそうな感じから、そのリアルさがお分かり頂けるだろうか…?スキップのぎこちなさに目が行ってしまう気がしなくもないが。
 
その重さと固さを確かめるために試しにグーで殴ってみたが、こちらの手の方が痛かった。強度もばっちりのようだ。
 
アーマードバトル
 
アーマードバトル
 
準備万端、いざ出陣! ウォーッ!
 
試合は1対1のデュエルと複数人で戦う団体戦・メーレーの2つの形式があり、デュエルの場合、頭部、胴部、腕、脚への有効打がポイントとなる。ポイントにはならないが、キックやパンチなども使用する武器によっては許可されている。
 
※今回、馬場を含めた初めての参加者が体験したのは、あくまで初心者向けに定められた入門ルール。本来のアーマードバトルでは、1ラウンド1分で戦い続け。その間に有効部位にヒットした数を審判がカウントし、その数で勝敗を決する。 
 

安全面に問題はなし


 

 
 
実際の戦闘の様子。容赦なく女性に襲いかかる弊社COO
 
練習から非常に激しい音がしていたので、馬場自身も半信半疑だったようだが、実は甲冑を着ているとほとんど衝撃も痛みも受けない。甲冑の着用も不備がないようにスタッフの方がやってくれる。女性ファイターが複数人いることを見ても分かるように安全面には問題ない。
 
「当たっても痛くないという感覚というのが一体どういうものなのか、やるまで分かりませんでしたし、自分はもっと鎧を着ても動けるものだと思っていました。でもいざ始まってみるとそんなことを考えている余裕はなかったです(笑)
 
ただ、戦っているうちにだんだん相手のどの場所を狙おうか考えられるようになっていきました。改めてこれを着て命を守っていた昔の人を尊敬します。」とはこの日初参加の長谷川さんの言葉。

正式ルールの戦いはさらにダイナミックでエキサイティング。使用する武器もより本格的なものになるため、さらに迫力も増すだろう。
 


 
正式ルールで行われた試合の動画
 
実際に思い切り武器で打撃できる場は日常生活においてなかなかない。それに耐えうる装備と当時の剣術を再現した技術があるのは貴重で、音もかなり激しいため、そのリアルさから今後ショーなどでの活躍も期待できそう。
 
突き詰めていくとハードで、強さが求められるが、まずは週末のストレス発散に“大人のスポーツ”として体験しに行ってみてはいかがだろうか?