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“魅せる”競技で世界に羽ばたいた2人の女子トーク!佐竹美帆×佐々木唯対談

2016.08.08 田中 紘夢

佐竹美帆、佐々木唯

 

今回は、チアダンスとダブルダッチという異なった“魅せる”スポーツに携わる2人を迎えて対談企画を行った。

 

佐竹美帆氏は、NFL・サンフランシスコ49ersのチアリーダー「ゴールドラッシュ」のメンバーとして活躍。その後は日本に帰国し、イベント企画会社「Spirity」を立ち上げ、アメリカ発のランニングイベント「Color Me Rad」「Electro Dash」の企画、運営を行っている。また、渋谷のラジオで毎週木曜日放送の「渋谷レボリューション部」パーソナリティーを務める。

 

一方の佐々木唯氏は、プロダブルダッチチーム「REG-STYLE」に所属。全国大会優勝、国際大会準優勝などの輝かしい経歴を持ち、プレーヤーだけでなく審査員やMCとしても活躍している。現在はソラトニワ原宿にてショップマネージャーを担当するほか、ラジオ番組のパーソナリティーも務めている。

 

互いにラジオパーソナリティーとしての共通点を持ちながら、スタイルの良さも際立つ2人。競技と仕事の魅力だけでなく、好きな音楽とファッション、さらには体型維持の秘訣まで、余すことなく赤裸々に語った。

 

出会ってすぐに意気投合した2人

佐竹:唯ちゃんとの出会いは今年の3月だよね。実は前からダブルダッチをやっている面白い子がいるから紹介したい、って知り合いにずっと言われててさ。それで唯ちゃんが審査員を務めていたダブルダッチの世界大会に私が行ったのが初めての出会い。

オーラが凄かったから、紹介されなくても絶対あの人だと思ったよ(笑)

 

佐々木:それは私が全身真っ白の格好をしていたからじゃないですかね?目立つからあいつかなって思いますもんね(笑)

 

佐竹:その時にダブルダッチを初めて生で見たけど、ダンス要素やスピード感もあって、すごくいろいろな楽しみ方があるなって感じた。一緒に何かできたらいいなって思って、すぐにFacebookでコンタクトを取って、それでカフェで話したのが先月くらいかな?いきなりお互いすごいマシンガントークだったね(笑)

 

佐々木:着席して速攻しゃべりだしましたよね!私も共通の知り合いから面白い子がいるから紹介したいと言われていたんです。「みほさん」「チア」「すごい」「美人」「凛としてる」とキーワードだけ聞いていて、実際に会ったら想像以上に美人で、ちょっとひるみました…。アラを探したいのに、見つからなくて困っています(笑)

 

佐竹:アラだらけだよ、私!

 

佐々木:この対談の間にアラを探しておきます(笑)とにかく出会った時のインパクトはすごかったです。アジアンビューティーだ!と思って。

佐々木唯、佐竹美帆

 

佐竹:いやいや、そんなことないから…。ところで、今でこそダブルダッチのプロとして国内外で活躍している唯ちゃんだけど、もともと何か他のスポーツはやってたの?

 

佐々木:もともとスポーツは大好きで、小学生の時も昼休みになるとすぐ校庭に走っていって、一番はじめにコートを取っているような子供でした(笑)

 

佐竹:やってそう!男の子みたい。

 

佐々木:サッカーをやってる時も「ヘイ!」って声を出して積極的にパスをもらうようなタイプでした。中学からはバスケットボール部に入り、高校もそのままスポーツ推薦で行くことができたんですけど、ただ勝つためだけに競技をやるのではなく、違った挑戦もしてみたいと思っていたんです。私はちょっとでも思いついたらすぐ行動したくなるタイプで、その時はダンスがやってみたくてたまらなかったですね。

 

佐竹:バスケットボールをやった後にダンスをやる人って、あまりいないかも。

 

佐々木:それでダンスを実際に始めてみたものの、結局捨てきれなくて、バスケットボール部にも入りました。ダブルダッチと出会ったのは、バスケとダンスを並行してやっていた高校2年生の時です。当時、3つ上の姉が通っていた立命館大学の学園祭に遊びに行って、そこで見たダブルダッチに一目惚れしましたね。チームプレーで、ダンスの要素もあって、新しいスポーツ。そう思った時に、この大学に入って、あの先輩たちとサークルで一緒に活動したい!と感じて、立命館大学を目指すことにしました。

ダブルダッチをやると決めて入学していたものの、演劇部や星空研究部からも勧誘を受けましたけどね(笑)

 

佐竹:星空研究部楽しそう!(笑)

 

佐々木:私も気になって説明を受けには行きましたよ!他にも最初の頃はダンスサークルにも興味があったんです。ただ、今から勝負して世界レベルに達することができるのはどちらかと考えた時に、やはりダブルダッチだと思いました。

 

チアダンスとダブルダッチ。2つの“魅せる”スポーツの魅力

佐竹:でも、大学から競技を始めて、世界レベルを目指す、という発想が普通はできないよね。そういう意味で唯ちゃんは自分を信じる力がすごいと思う。実現させるまでにいろんな葛藤があったとは思うけど、信じてやり遂げているもんね。

 

佐々木:1、2年生の時は全くでしたよ。たくさん練習しているのに結果が出なくて、それでも応援してくれる家族が不思議で仕方なかったです。こんな姿見たくないだろうなって思ったんですけど、最後の最後まで応援してくれて、それがすごく支えになりました。家族の喜んでいる姿を見たいと思えたからこそ、ここまで頑張ってこられたんです。

自分を信じるって書いて「自信」じゃないですか。私はあえてこの言葉をすごく意識していて、自分を信じる、チームを信じる、全力でステージに立つ、ということをキーワードにここまでやってきました。ハチマキの裏に「信じる」って書くこともありましたし(笑)なので、自分を信じる力を美帆さんに評価していただけたのはすごく嬉しいですね。改めて大事なことを思い出しました!

 

佐竹:言葉って大事だよね。自分に思い込ませるというか。私もパフォーマンスをする前に「佐竹美帆」って3回言ってた。緊張している時に自分の名前を3回言うと、平常心に戻ることができるから。

 

佐々木:チアダンスはスポーツ選手やチームに対して応援するものという認識が私は強いんですけど、それ自体の魅力もすごくあると思うんです。人を元気にさせたり、笑顔を与えたりすることって、簡単なようですごく難しいですよね。その人自身が元気でないといけないし、笑顔を常に求められることは大変ではないですか?

 

佐竹:常に笑顔でパフォーマンスすることを、演技でやっていたら絶対に持たないんだよね。見ている人にも、それがフェイクだと伝わるし。だから、チアは私みたいに楽観的でポジティブ志向な人が多いかな。メンタル的な強さがすごく求められるし、そこは身体能力と同じくらい大事な要素だと思う。

佐竹美帆

 

佐々木:私はいつも美帆さんの隙を探しているんですけど、なかなか真顔になることもないし、疲れた様子でため息をつくこともないんですよね。

 

佐竹:楽しいから自然と笑顔になっちゃうの。チアの時もフィールドに立っていると、お客さんからのエネルギーがすごく集中するんだよね。みんなが応援する気持ちが伝わってくるから、そこに立っているだけでポジティブになれる。レッドブルを10本くらい飲んだような感じ!(笑)唯ちゃんはダブルダッチのどこに一番魅力を感じてやってるの?

 

佐々木:「思いやりのスポーツ」だというところですかね。自分自身が一番感じている部分であり、これから一生関わっていきたいと思えた魅力でもあります。ダブルダッチは究極のチームスポーツだと思うんです。ロープの動きそのものも、それを跳んで表現することも、すごく繊細なので。例えば「こいつからちょっと昨日嫌なこと言われたな」という感情をチームメイトに抱いていたら、やっぱりパフォーマンスに出ちゃうんですよ。練習からその人に思いやりを持って接しないと、上手くいかないことは多いです。

観客はロープの中で跳んでいる人を見ると思うんですけど、ターナー(縄を回す2人)の表情も実はすごく見てほしいポイントです。チームの雰囲気はジャンパー1人が作っているものではなくて、ターナーがジャンパーを引き立たせるためにどんな演出をしているかが全体の印象にも影響していると思います。そうやって全体を観察してもらえると、そのチームのストーリーも見えてきて面白さが増します。

 

佐竹:今って週にどのくらい練習してるの?

 

佐々木:チーム練習は週2回で、1日5〜6時間ですね。本当は毎日やりたいところなんですが、みんなのスケジュールもあるので。ステージ前は通しリハーサルみたいな形で結構体力を使うんですけど、それ以外の練習は半分遊びからインスピレーションを受けたりする時間なので、そこまで疲れないです。

 

佐竹:ダブルダッチをやる上で一番必要な要素って何なのかな?私は見ていてリズム感なのかなって思うんだけど。

 

佐々木:リズム感も大事な要素ではありますが、正直に言うと、誰でもできるものだと思うんです。運動部出身じゃない人もたくさんいますから。リズム感がなくても、それを持っているチームメイトがサポートしてくれます。それぞれで役割を分担して、自分の強みを生かし、弱みを周りが支えてくれるというのは魅力の一つですね。

ダブルダッチ

 

佐竹:私、二重跳びならできるんだけどね。

 

佐々木:ダブルダッチと縄跳びって別物なんですよ。よく、『二重跳びすごいできるんでしょ?』って言われるんですけど(笑)

 

佐竹:ハヤブサもやってた!後ろハヤブサも!

 

佐々木:だから関係ないですって!2回言いましたよ(笑)

 

スタイル抜群の2人が、体型維持のために取り組んでいること

佐竹:唯ちゃんも人前に出る機会が多いと思うんだけど、体型を維持するために何か食事面で気を遣ってることはあるの?

 

佐々木:食べることは好きですし、お酒も飲みますよ。量はあまり食べないですけど、美味しい!って思える場が好きですね。

 

佐竹:わかる!私は、炭水化物はお昼だけにしてるけど、お肉は無限に食べていいっていうルールがあって、夜に1kgくらい食べたりする(笑)お酒はだいたい2ヶ月に1回、それも1杯くらいしか飲まないかな。

 

佐々木:1kg!半端ない(笑)

 

佐竹:頭おかしいよね。私は食べることが好きで、それが生き甲斐だから、食べたものを燃焼するために運動してるイメージ。

 

佐々木:わかります。私もそれです。

 

佐竹:その楽しみをとったら私の人生は終わると思ってるの。ただ、チアをやっていた人として世の中に出る時には、『あの人チアやってたのになんであんなにお腹出てるの?』『なんで足太いの?』と思われると業界の印象も変わっちゃうから、ちょっとだけルールは設けてる。

 

佐々木:えらいですね。夜、炭水化物を食べたいと思ったりはしないんですか?

 

佐竹:ならないかな。プリンとかは食べちゃうけど!

 

佐々木:プリンは食べていいんだ(笑)炭水化物を抜いて、何か変わりました?

 

佐竹:アメリカから帰ってきて2年くらい続けて、体重は変わってないけど、会った時に『痩せたね』って言われる。親不知を抜いたから、それで顔がキュッとなったのかな?(笑)

 

佐々木:それはおそらく微々たる影響でしょうね(笑)でも、えらい!食事とか自分の生活にルールがある人って尊敬します。

 

佐竹:なくても唯ちゃんはそのスタイルを保ってるんだから、すごいよ!

 

佐々木:毎日何かを続けることって、ルーティンになれば楽ですけど、それまでが大変だと思うんですよね。私も食べたものを記録するレコーディングダイエットをやっていたんですけど、途中で洒落臭くなって(笑)1日でも書かない日があったり、自分の決めたルールを守れなかったりすると、自己嫌悪に陥るじゃないですか。それが自分のストレスにもなると知ってからは、特に決めごとは作っていないです。白米と玄米があったら玄米を選ぶとか、健康にいい方を選ぶことはありますけど。私って本当にルールがないんですよね、お酒も好きですし。

 

佐竹:飲みそうだよね。強そう!

 

佐々木:なくても全然同じテンションでいられるんですけどね。

 

「音楽」と「ラジオパーソナリティー」という互いの共通点

佐竹:私と唯ちゃんの共通点として、音楽を使うというのがあると思うんだけど、どんなジャンルが好き?

私はラテン系が好きで、流れるとノッちゃいたくなるんだよね。アメリカのビルボードっていう音楽チャートもいつもチェックしてる。

 

佐々木:私はパフォーマンスだとヒップホップとかブレイクビーツをよく使うんですけど、普段聴く音楽には癒しを求めていて、スローテンポなチルアウト系の曲を聴いています。『ごりごりのヒップホップとかレゲエを聴いてそう!』って良く言われるんですけど・・・。

音楽は絶対にいつも何かしら聴いています。中学生の時から、先生に怒られようが構わずMDで聴いていました。いつもイヤホンをしていたので、あんまり友達としゃべったことがないかもしれないです(笑)

 

佐竹:でも、唯ちゃんはトークが上手だもんね。ラジオパーソナリティーにぴったりだよ。私はたまたま渋谷のラジオで枠が空いた時に話をもらっただけだから。

 

佐々木:週に1回ラジオというルーティンがあるのはいいですよね。1週間を振り返れて、整理がつきますから。それ以外は何曜日に何があるとか、あまり決まっていないじゃないですか。

 

佐竹:曜日わかんなくなるもんね(笑)そういえば、唯ちゃんって服はどこで買ってるの?いつもおしゃれだけど。

 

佐々木:ディーゼルとか好きなブランドはありますけど、必ずしもそこで買うわけではないです。だいたいデニムやモノトーンが好きだったり、かなり偏りはありますけど。

佐々木唯

 

佐竹:スタイルが確立されてるよね。スポーツ選手って日常のスタイルも合わせ持っている人がかなり少ないと思う。魅せるスポーツをやっているからというのはあるかもしれないけど、憧れられる人たちの要素だよね。

 

佐々木:ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです。渋谷・原宿は毎日来ているので、時間があるときは気になったお店にふらっと入っています。

 

佐竹:唯ちゃんのクローゼットで何か着てみたい(笑)

 

佐々木:ぜひ着てください!美帆さんはまさにクールビューティーだと思うんですよね。シンプルで無駄がないというか、女性らしさが強くてうらやましいです。

 

佐竹:ありがとう!1回まちがえて髪を染めちゃったんだけど、それ以来ずっと黒髪なんだよね。半年くらい伸ばしっぱなしだし、お金がかかんない!

 

佐々木:美帆さんちょっとローラみたいなところありますよね。お金がかかんない☆って(笑)

佐々木唯

 

楽しいことを選択できるように。目の前のことに一生懸命に。

佐々木:美帆さんって好奇心旺盛な印象がありますけど、いま一番興味のあることは何ですか?

 

佐竹:女性が輝く場を作ることかな。スポーツ選手でも、いち社会人として自立した女性でも、自然に生きてる人がすごく少ないなって思う。そんな人たちに対してやりたいことが色々あって、少しずつ形にしていくことを考えるとワクワクする。

 

佐々木:例えば自分が日本で生きづらいと感じたら、海外に住もうと考える人は多いと思うんですけど、美帆さんは日本を住みやすい国にしようって考えじゃないですか。それはすごい行動力だと思います。

 

佐竹:自分の故郷を好きになりたいんだよね。アメリカに行った時に、日本が自分の出身国なんだって誇りを持って言えなくて。むしろ日本がもっと変わってほしいという話ばかりをアメリカでしていて、帰った後も日本を批判してしまう自分がいたの。「日本人だから」っていうネガティブな言葉はしっくりこなくて嫌だけど、自分がポジティブに思えるような物事を起こしていけたら共感してくれる人も出てくる気がする。そうやって少しずつ仲間を増やしていければ楽しいね。

 

佐々木:具体的に、日本のもっと良くなってほしい部分ってどこにあるんですか?

 

佐竹:枠にとらわれていることだね。日本人ってルールの中で正確にやっていくことが得意だから、チアでも正確性は世界トップクラスなんだけど、そこに表現力を求められると劣る部分がある。競技では勝てたとしても、観客が見ていたいかというところで評価すると、楽しさが伝わってこない。そうやって枠にとらわれるんじゃなくて、もう少しクリエイティブな発想ができる環境を作りたいかな。

とはいえ、正確にやるところは絶対に日本の良いところだから、それもありつつ、クリエイティブな人が認められれば、日本の文化は世界一になるんじゃないかな。

 

佐々木:自分を解放するような場って、少しずつできているんですかね?そんなイベントは増えてきている気がしますけど。

 

佐竹:二極化している気がする。枠にとらわれないで自由にしていいんだ、と気づいて行動に移せる人と、そうなりたいけどリスクが先に来て行動に移せない人。私も前の会社で働いてた時には後者の人しか知らなかったけど、アメリカに行って前者の存在を知って、枠にとらわれない人が増えてほしいって思った。自分の枠を決めないと生活できない人が多い気がする。

 

佐々木:美帆さんがいると、日本も心強いです!これから生きやすくなりそうな気さえします。そんな美帆さんの目標は何ですか?

 

佐竹:私は楽しいことをやりたい!何かを選択するときに、自分が楽しいと思うことを選べるような環境と発言力があるようにしておくことが今のところの目標かな。唯ちゃんは?

 

佐々木:私は5年先、10年先の未来を描いて今を生きることは苦手なので、目の前にあることを一生懸命やっていきたいと思います!