完璧主義者はNG。筋力と語学力を伸ばすための適切なアプローチとは

2018.02.23 AZrena編集部

大人女性向け英会話サービス「b わたしの英会話」を運営する株式会社by ZOOの大山俊輔さんと、MLB・サンフランシスコ・ジャイアンツのトレーナーを務める渡邊亮さんが考える、英会話とトレーニングにおける近似性。

前編ではそれぞれのジャンルで力を付けていく人とそうでない人について話が展開されましたが、後編である今回は更に深く、どのような方法で能力を高めていくかという点について語っていただいています。そして、キーポイントとなる「習慣化」とは?

教える側が考えるべき“ゴール”の設け方

やり方次第で留学経験者と同等の英会話力が備わるというのは、どういった体験から確信したのでしょうか。

 

大山:ハインリヒ・シュリーマンというドイツの考古学の学者がいるのですが、彼と福沢諭吉さんの本をたまたま学生時代に読んだんです。すると、2人の本に書かれていた言語の学習の方法がかなり似ていることに気付いたんです。そして留学することになった際、僕もそれを真似してほぼ独学で勉強して渡米しました。そして、サバイバルして帰って来たという経緯だったのですが、やり方さえ間違わなければある程度はできるようになる。そう感じ取ったんです。また、僕も実は今、トレーナーについてもらってトレーニングをしているのですが、その中でもしっかりとした方法を身に着けて継続してやれば力はつくし、そういう点で語学学習とトレーニングは近いと日々感じているんです。

 

ただ、両方について言えるのが成果を出すまでの間や停滞期にモチベーションが下がることだと思います。その点はどうやって、自分自身でどうモチベーションを上げれば良いのでしょうか。

渡邊:トレーニングに関して言うと、プロ野球の選手は試合に出なければご飯を食べられなくなってしまう。だから、僕はゴールを設定してあげますね。特にシーズン中に思いきり体を大きくすると怪我をしてしまってパフォーマンスも下がる。ですから、ゴールを明確に1個だけ設定するのではなく、例えば「怪我をしない」とか、「◯◯試合以上出る」というように、短い期間と長い期間におけるゴールを作ってあげるようにします。そこのゴールに自分自身でコントロールができないものを入れないようにするのも重要です。例えば監督の采配はコントロールできないので…。

 

しっかり続けていくことを習慣化するというところも重要ですよね。そのためには?

 

渡邊:指導する側からの話になります。20歳〜25歳を越えたいい大人が日本のスポーツ現場でダラダラやっている時に「ちゃんとやれよ」と言われる光景はよく見るのですが、怒られたところでどうにもならないじゃないですか。ある程度人格が確立されている人に対して厳しく言う方も見てきましたが、選手からすれば「もう25歳なんだけどな…」と思うわけです。怒られても響かない。だから、ネガティブな形でモチベーションを上げるよりかはポジティブで良いところを見つけさせてあげるという方が大きいですね。

 

そうすれば自発的に動くと。

渡邊:「お前最近体大きくなってきたじゃん」と何気なく言ってあげるだけで本人もやろうと思います。「この前の試合で負けたんだからちゃんとやれよ」というよりも、ネガティブな要素は全く排除して「これすごく良い感じになってきているじゃん」「この前のあれもよかったじゃん」というように細かいところから褒めていくという方が確実にモチベーションは上がりますよね。

 

大山:本当にそう思います。褒められた方が絶対に嬉しいじゃないですか。「なんでここを間違っちゃうの?」というよりも、「ここの部分がよかったね」と言ったほうが良いです。だから自分も、良いところを見つけようと思いますよね。

 

完璧主義者は伸びにくい?

 

逆に挫折しやすい、サボりやすい人の特徴はありますか?

 

渡邊:完璧主義者のような人ですね。

 

大山:そこについても似ていますね。

 

渡邊:日本人はこの点がすごく強いと思います。侍魂じゃないですけど、「切腹」という文化があるのと一緒で、ミスをしたら怒られるというネガティブなところがスポーツ業界には多い。野球で言うと、年間で152試合をこなして1つのミスで落ち込んでいたら1年間持たないんですよ。バッターだったら10回チャンスがある中で3回打ってくれればよくて、ピッチャーは逆に何十人を相手にしても1試合で2,3点に抑えられればOKです。ヒットを10本打たれても2失点だったら問題ないんです。ただ、それをネガティブに捉える子は多くて、挫折していきやすい。1つのミスに固執するのは本当に良くない。

 

大山:社会人の生活としてもそれはあるのかなと。失敗を失敗と捉えてしまうのか、良いフィードバックがもらえる機会と捉えて次に生かすための糧にするのか、というところの違いかなと。同じ出来事でも解釈の仕方を変えるだけで大きな違いが生まれます。

 

 

大山さんは最初に英語を学ぶ人に対して、本人のモチベーションを上げるという点で意識していることはありますか?

大山:私はモチベーションに頼りすぎないようにしています。いわゆる三日坊主で止めてしまう人の言い訳として圧倒的に多いのが“忙しい”という言葉と“モチベーションが続かない”という言葉の2つ。ではそのモチベーションが続かないという定義を僕自身に当てはめた時に、僕も例えば日々の仕事もしくはトレーニングに行く時に毎日楽しくて仕方ない!という思いでそれらに臨んだことはない。着替えているギリギリまで嫌です(笑)。でも終わった後、汗かいて自分の腹が少し凹んだ姿を見た時にやっていてよかったなと思う。はじめに物事に挑戦する時は自分自身の理想の姿とか目標というものをしっかりとイメージを持たせてあげることが重要だと思うんです。ただ、それが長くなりすぎて手に入れるまで3年くらいかかってしまうのであれば途中でやらなくなってしまう。だから目標設定というものは10ヶ月後くらいの見えるところに置いていますね。本当に手に入れたければちゃんと期間を決めて、それをなるべく短めに設定して、かつ具体的で1つ1つやって行くプロセスに分解できるようにすると。そこは生徒さんが入会するタイミングでしっかり見てあげています。その中で例えばハリウッドの俳優さんと話せるぐらいの会話を期待してしまってはダメなんです。僕自身も多分あまりできません(笑)。そうして高く設定しすぎた理想とのギャップが埋まらないと、さきほどの完璧主義の話に繋がってくるのですが、自分の現状とのギャップは大きくなるばかり。そして、ギャップと正面から向き合うのは誰しも辛いものですから辞めてしまう。そして、その辞めるときの1番使い勝手がよく誰も傷つけない「忙しい」という言葉がでてきてしまうのです。

 

実際、完璧主義の方は自分で自分のことを縛ってすごく高い目標を設定して、しかもそれに対して何をしなければいけないのかもわからない状況でとりあえず頑張る。そして、理想とのギャップは埋まらずどんどん自分に対して嫌になる。それが原因で離れていくという人がすごく多いです。ここはトレーニングの部分に共通する点があるのかなと。