新生DeNAベイスターズ発足から5周年。横浜に根ざすために取り組んできた新しい試み
今シーズン、2005年以来のAクラス入りを果たした横浜DeNAベイスターズ。同時に12球団中最も遅いCS進出を経験することとなった。
今年はチームが結果を残したとともに、主催試合72試合中54試合が満員となり、球団史上最多の観客動員数193万9146人を記録。観客は入ってもチームが上向かなかった昨年までと比べると非常に充実したシーズンだったといえるだろう。
DeNAに買収された2012年シーズン以降、様々な施策が取り入れることで離れていたファンを呼び戻し、新しい観客を獲得していったわけだが、ここでその施策の一部を紹介していきたい。
根底にある“ハマスタを、野球を、中心に横浜を1つにする”という考え方
横浜DeNAになってからチームは「I☆YOKOHAMA」をコンセプトに掲げている。
これは横浜という地域に根ざし、プロ野球を通して街の活性化に貢献していくというもの。この考え方を中心に様々な施策が行われているのだ。
動画引用元:YOKOHAMA DeNA BAYSTARS CHANNEL
ユニフォームがもらえる夏の大イベント、YOKOHAMA STAR NIGHT。
DeNAベイスターズ初年度から行われている「YOKOHAMA STAR NIGHT」では夏の同一カード3試合において、毎年趣向を凝らした限定ユニフォームを選手が着用してプレー。そして、来場者には選手と同じデザインのユニフォームが無料で配布されるというなかなか太っ腹なイベントだ。試合開催日は最寄りの関内駅の駅員やその周辺の店舗の店員もユニフォームを着て、まさに野球を中心に横浜の街が1つになっている雰囲気を味わうことができる。
また、試合終了後に行われる特別な演出も見逃せない。
動画引用元:YOKOHAMA DeNA BAYSTARS CHANNEL
嬉しい内容が盛りだくさんの野球女子が主役の日!
カープ女子やオリ姫といった野球好きな女子が取り上げられることが多くなっているが、ベイスターズも女性向けの施策を行っている。
昨年から行われている「YOKOHAMA GIRLS FESTIVAL」では野球の好き嫌いにかかわらず、女性が楽しめるイベントが用意されている。
当日は女性にのみオリジナルデザインのユニフォームが配布され、球場内外では限定スイーツの販売の他、無料で参加できるヘアアレンジレクチャー、コスメサンプリングや占いブースなどが設置される。
イベントの中には選手握手会やグラウンド撮影会も含まれており、試合そのものだけでなく、1日を通した催し物としての野球を楽しんでもらえるような工夫がされている。
選手と同じグラウンドでキャッチボールができる!DREAM GATE CATCHBALL!
横浜スタジアムでのナイター試合開催日の朝、実際の球場を解放してキャッチボールができるというもの。近年キャッチボールが禁止されている公園も増えており、自由に球を投げられる場所がなくなってきている。その中で選手と同じ場所でキャッチボールができるというのは嬉しい限りだ。
最近はボール遊びを禁止する公園も多い
一体感のある空間と野球の新しい楽しみ方を提供するスタジアムづくり
横浜スタジアムおよびその周辺の横浜公園一帯を利用した、大小様々な施策を行っている。
球場内については通常の座席だけでなく、野球を複数人で楽しむための様々な種類のシートを用意。例えばベースボールモニターBOXシートは実際の試合と、TVモニターの映し出されるハイライトやブルペンなどの映像を交互に見ながら野球談義をすることができる。そういった新しい生観戦のスタイルを提供している他、一部の座席の色を従来のオレンジからブルーに変更するなど、細部にまでこだわりを見せている。
夏期間の試合開催日にはスタジアムのすぐ外でビアガーデンを開催し、チケットがなくても雰囲気を楽しみながらお酒を飲むことができる。そして、球場外にステージを設置し、試合前にチアリーダーやマスコットのショーを開催。より長くスタジアム周辺で楽しんでもらえるようになっているのだ。
一部ではあるが、DeNAベイスターズのこういった取り組みを見ていると、「野球との接点の作り方」を非常に大切にしているように感じられる。
他にも様々な施策が行われているので、今後少しずつ紹介していくとともに、彼らの取り組みにもぜひ注目してもらいたい。