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河村良太(プロスノーボーダー)は、強者がそろう日本代表入りを目指す。

2015.02.05 / AZrena編集部

河村良太

今回はプロスノーボーダーの河村良太選手にお話を伺います!20歳のときに勤めていた会社を辞めてスノーボードの道へ。ハーフパイプを主な競技としてされ現在プロツアーランキング9位。世界のトップを目指されている河村選手ご自身、そして、スノーボード・ハーフパイプの魅力に迫ります!

ハーフパイプの魅力は「浮遊感」

――スノーボードを始められたきっかけを教えてください。

昔から遊ぶのが好きで、何か一つのスポーツにこだわることなく色々なスポーツを楽しんでいました。スノーボードに出会ったのは19歳のときです。僕は高校を卒業して会社員として働いていたのですが、社会人1年目の年に友達とスノーボードに行く機会が増えて見事にのめり込んでしまいました。次の年には会社を辞めて新潟で山篭りをしていました。

――そこまで夢中になれるものを見つけられることもなかなかないと思います。会社を辞めて山篭りされるときにご家族は反対されませんでしたか。

もちろんされました(笑)山籠りをしているときは、インストラクターなどのアルバイトをしながら生活していました。スポンサーを獲得できるようになる25歳まで続けていましたね。スポンサーがついてくれるような成績を出せるようになるまで、結構時間がかかりました。

――スノーボードを始められてから、競技としてハーフパイプをやり始めるにはどういった経緯があったのでしょうか。

始めてから2年程はずっとジャンプをメインでしていましたが、白馬で初めてハーフパイプに出会って、そこからはそちらに転向しました。その後は本格的に競技をするためにハーフパイプの環境が一番整っている岐阜県の高鷲スノーパークというところに身を置いて練習をしていました。

――夏期の練習はどうされているのですか。

夏は23歳から3年程、山梨のカムイミサカスキー場で働いていました。ここは夏でもハーフパイプのできる環境があったので、そこで練習もしていました。現在も基本は山梨ですが、海外も転々として練習しています。

――ハーフパイプの魅力を教えてください。

自分が純粋に楽しいということもありますが、スピード感や雪の感触、冬の感じが好きで肌に合っていたのだと思います。あとはハーフパイプだとやっぱり高さですね。あの浮遊間がたまらないです。見ているほうも高さが出ていると盛り上がるので、あの高さは魅力だと思います。

――確かに見ていて心配になるくらい飛んでいますよね。怪我などはしないですか。

怪我もしますが、僕は過去一番大きな怪我でも1ヶ月間滑れないくらいのものです。練習も段階的にして、無理なことは絶対にしないように気をつけています。また、トレーナーさんにも見て頂いています。

ナショナルチームを目標に

――今までの競技人生で一番嬉しかったことを教えてください。

2012年にあったadvanceカップという大会で、3位に入ったときです。そのときに表彰台に上がったことが一番嬉しかったです。今でも鮮明に覚えています。その大会がきっかけでスポンサードして頂けることが決まりました。

河村良太

――スポンサーが付く前と付いた後では、何か変わりましたか。

遠征等の滞在費などを出してもらえるようになりました。スポンサーについていただいて、これからが本当に勝負だと思っています。今後は海外遠征ができる環境も整ったので大きな大会であるX-Gameや次回のオリンピックを目指していきたいです。

――スノーボードを競技者として続けていて、大変なことはありましたか。

辞めようと思ったことは何回もありますよ(笑)金銭的な部分が一番大きかったです。他のスポーツだと正社員で働きながら競技をすることもできると思うのですが、スノーボードは山に行かないと練習ができないので、なかなか正社員で働きながら競技をすることは難しいです。そこが一番きついです。

――スノーボーダーならではの悩みかもしれませんね。

例外はあると思うのですが、20代は似たような同じ状況が多いと思います。環境のいいところだと正社員で働きながらの人も稀にいますが、ほとんどがアルバイトしながら競技をしています。金銭面が理由で20代にして辞めていく選手が本当に多いです。10代だと親がお金を出してくれているので、練習に集中できるのですが、20歳を越えるとそうはいかなくなってくるので、練習できるというだけでも感謝しないといけません。

まずは自分が競技を続けられる道をつくれたらいいと思って競技をしています。

――今後の目標を教えてください。

今シーズンは技術の向上はもちろんのこと、ナショナルチームの選考に選ばれることが目標です。今は平野選手と平岡選手が高さも技術も飛び抜けてうまいので、そこに追いつくようにしていきたいと思います。

また、今後はスノーボードの競技だけでなく、「スノーボード × ◯◯◯」のように、他のジャンルと組み合わせて新たなものを創りたいと考えています。競技そのものももっと盛り上げて行きたいと思っています。そのためには、もっと自分も成績を残して有名になって、色々な方と出会って人脈を広げていきたいです。

河村良太

――大人になってからスノーボードを始める方も多いと思いますが、道具を初めて買う方にアドバイスはありますか。

最初は固過ぎない、柔らかい板を選ぶ方がいいと思います。固い方が壊れにくいですが、最初は扱いが難しいので、柔らかい板を最初はおすすめしています。

――身長が高い方がいいなど、スノーボードに向いている体格はありますか。

小さくても大きすぎてもあまり良くないですね。海外には、かなり大きい選手もいますが、僕はコンパクトな体格の方がスノーボードには向いているのではないかなと思います。

何かを捨てる決断も必要なことがある

――ここからは、プライベートな質問をいくつかさせていただきます。スノーボードをしていなかったら何をしていたと思いますか。

釣りが大好きなので、もしかしたらアメリカのバスプロ(ブラックバス専門にした釣り師)を目指しているかもしれません。卓球もおもしろくて好きなので、そちらにものめり込めたとも思います。身体を動かすこと、スポーツが大好きなので何かしらの競技はしていると思います。

――休みの日は何をして過ごされていますか。

釣りですね。釣りに行くポイントまで山道を歩いて行くときも、釣りをしているときも身体の動かし方を意識して、いい感覚を掴めるようにと思ってやっています。釣りの最中でも常にスノーボードに繋げたいという思いがあります。空気もいいし、リフレッシュもできて、足腰も鍛えられて、魚も食べられて一石三鳥どころではないですね(笑)時間を無駄にはできないので、短い時間で効率よくすることを心がけています。

――河村さんがご自身で思う一番の魅力を教えてください。

何でもやってみたいと思える好奇心です。とりあえずやってみる行動力もあると思います。また、マイナスをプラスに転換していくことも心がけています。

――好きな女性のタイプを教えてください。

自分に似ている人がいいですね。現実的過ぎない、少しぶっとんでいるくらいの人がいいですね。その方が一緒にいて、おもしろいと思います。

――一般の人が知らないスノーボード選手だからこそ知り得たエピソードがあれば教えてください。

海外の方が雪質が良いと思われがちなのですが、実は日本の方が軽くて結構良いんです。海外の選手はよく、北海道や白馬が良いと言っています。結局は海外でも日本でも場所によるのだと思います。

――最後に見てくださる方々にメッセージをお願いします。

何かを成し遂げたいときは、あきらめないことが大切です。また、あれもこれも全部やるのは無理なので、何かを捨てる決断も必要なことがあります。やり方は色々あるので、回りの目を気にせずに、突き進んでみてください。あとはスノーボードはすごく楽しいのでやった事ない方は是非始めてみて下さい!