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石田太志(フットバッグ)。世界一に輝いた男の次なる目標は何か?

2014.09.16 / AZrena編集部

石田太志
 
今回はプロフットバッグプレイヤーの石田太志さんに来て頂きました。石田さんはパリで行われたフットバッグ世界大会の「shred30」部門で世界一に輝いております。フットバッグとは、直径5cmのボールをサッカーのリフティングのように足で操る競技で、子供も楽しめますし大人もトレーニングの一環で取り入れることが出来るものです。そんな石田さんの、フットバッグとの出会いそしてプライベートに迫りたいと思います。
 

大学入学直後、フットバッグに出会う

 
――石田さんのスポーツ経歴を教えてください。
 
保育園の時は遊びでボールを蹴っていたくらいでした。サッカークラブに小1から入って、高校までフルでやっていました。
 
――高校でやっていたのは部活ですか。
 
そうですね。高校は公立なんですけど、(県立)旭高校というところで神奈川県でベスト4くらいには入っていましたね。プロになった人だと水内猛さん(元浦和レッズ)がいます。
 
――ポジションはどこだったんですか。
 
FWですね。部員は110人くらいいました。
 
――そんなにいたんですか!それだとベンチにすら入れない人も多いですよね。石田さんはどうだったんですか。
 
僕は2年の後半ぐらいから出始めて、キープした時もあればベンチの時もありましたけど、そのぐらいのラインには入っていましたね。
 
――練習はどうでしたか。
 
練習はきつかったですね。
 
――1年生の時は本当に大変ですよね。当時の体育会系部活は。 試合の時はそうですよね。
 
僕らのチームだけコートの周りをボールボーイとして囲うんですよ。1年生は体育座りで座って。それで相手に有利な状況の時は遅らせたりしましたね(笑)あとは昼休みがなかったですね。グラウンド整備をしている感じだったので。なので早弁したり。
 
――高校の後はどうしたのですか。
 
大学でも(サッカーを)やる気はあったので、部活に入ろうか考えていました。入学前から練習にも参加して。ただ、ギャップがあったんです。実際には部員も30人いないくらいで、高校時代の部活に比べるとストイックでもなくて。そんな中入学してすぐの時、横浜みなとみらいのムラサキスポーツにキャンペーンでフットバッグが置いてあったんです。映像も流れていました。それに触発されたんです。ダンスしているようでリフティングにも見えて、ストリート感があって。
 
元々サッカーと並行してそういった分野も好きではありました。本当はダンスをやってみたかったんですけど、僕全くリズム感がなかったんです(笑)それで諦めていたところがあったのですが、サッカーっぽいところもあったのでやってみました。部活も迷っている最中だったので。
 
――それでフットバックをやろう!となったんですね。ただ、周りにやっている人は当初ほとんどいなかったと思うんですよ。どのように練習されたんですか。
 
まずはバッグを購入しました。当時価格が1つ1500円くらいなんですよね。正直あのお手玉1つでそんなにするのかとも思いましたが(笑)それで見よう見まねでやっていたところ、たまたま数日後に小学校時代のクラブの同窓会があったので、持って行ったんです。そうしたら当時東急ハンズにもキャンペーンで置いてあったらしく、知っている友人がいて、3〜4人が食い付いてきました。
 
近くに住んでいてすぐ集まれるというのもあったので、みんなで練習してみることになりました。当然うまいプレーヤーがいるわけではないので、海外のサイトの動画を見るというのを繰り返していた感じですね。しばらく観て練習していたのですが、どうやら日本にも(プレーヤー)がいるらしいというのが分かりました。代々木公園に集まって蹴っているというのを見つけて行ってみたんです。それで少し教えてもらったり、通うようになりました。僕らよりも1年くらい早く始めていたようですが、素人からすると驚くぐらいのレベルでしたね。
 
――一緒に始めた3〜4人の友人はどうしたんですか。
 
大学在学中はやっていましたが、社会人になってやめてしまいましたね。
 
――本当にボール小さいですよね。
 
一番初めに見たのはストリート感があってかっこいいやつでした。上半身裸でビーチの脇でやっていたりとか、アメリカではそういうものなんですよね。外人がやっているとかっこいいです。裸でやっているのはビーチだからというのもありますが、ちょっとでも服に擦ると軌道が変わってしまう理由もあると思います。最近は裸でやる人は減っていますけどね。
 
石田太志
 

フットボールは蹴る動作だが、フットバッグは止める動作が必要

 
――(東急)ハンズの前で石田さんがやっていたら、すごい人が集まってきそうですね。
 
今はまだフットバッグというのがそこまで知られていないので、魅力があるものだったとしても、人が集まって見て頂かないと広がらなかったり、企業の目に留まらないのでしょうね。
 
――絶対知ってもらったら、やりたくなる気がします。
 
そうなんです。今はバッグ(ボール)が手に入りにくいというのがありますね。そして、見てもらう機会が少ない。プレーヤーも少ない。結局プレーヤーが勝手にこの辺でやっていたりすると最近よく見るよね、という風になるのですが。情熱がある人でないと辿って調べたりもしませんし。 元々フットバッグはお医者さんが膝をケガした人にリハビリトレーニングのために考えたもので、スポーツではないんです。それをアメリカ人が限界を突き詰めだしたんです。
 
――そうなんですか!
 
なので、自分はスポーツ選手であったり、老人や子供の神経系のトレーニングのために教えたり、体の改善のための指導もしています。例えば野球で言えば肘や肩を壊すのはそこが悪いからではなく、下半身がうまく使えていないことで負担がかかってしまうというのが原因としてあります。そのトレーニングにフットバッグは凄く使えるんです。極真空手をやる方に教えに行ったりもしています。蹴りの動きが似ているんですよ。足を引き上げる動作があるんですけど、フットボールは蹴る動作なのですが、フットバッグは止める動作が必要なんです。
 
一回吸収して、上げるということですね。それが股関節周りをすごく使うんです。(空手の蹴りでは)力が入り過ぎてもよくなくて、力を抜いていた方が相手にダメージが伝わりやすいそうです。フットバッグはすごく動きが細かいので、いかに力まずにできるかということで応用できるのだと思います。初めは止めようとして力んでしまうんですよね。最近は高齢者の方達にスポーツクラブでエクササイズとして教えていたりもします。
 
――結構いろいろなところでやっていますね。
 
かなりジャンルは多岐に渡りますね。ある程度レッスンとかもありますし、今はフットバックネックレスを縫っていたりとかもします。イベントには親子連れが来ることが多いですね。バッグをその場で売ったりしてフットバッグを家でも触れることが出来るようにしたり、体験会をパッケージでやったりとかもしています。企業の懇親会でやったこともありますし、老人ホームに行ったこともあります。でも一番多いのはフットサルなどのスポーツイベントが多いですかね。
 
――フットバッグの魅力を教えてください。
 
まず1人でもできますし、誰とでもできるところです。輪になって技とかをやらずに蹴るというのがアメリカでは主流です。技ができるようになった時の衝撃もありますけどね。場所を選ばない、どこにでも持ち運べる手軽さもあります。あとは今自分が開発しているトレーニングの分野に当て込むというのは広めていきたいですね。それは世界でもいないので。第一人者として頑張りたいと思います。今後大学の教授とかに研究してもらったりする話も進んでいます。他のスポーツのプレーヤーにトレーニングに使えると言って頂いています!
 
――フットバッグをやっている上での苦労を教えてください。
 
もうフットバッグを11年やっているんですけど・・・練習場所ですね。いろいろなところで注意を受けます。僕はもう馴れていますけどね(苦笑)海外だとそんなことはないのですが、日本だと警備員が来たりします。ボールという扱いになるみたいで。警察来たりしたこともあります。そのときは真冬だったのかな。半袖短パンで汗だくになってダンスでもない動きをしている人がいるというので警察が来ました(笑)
 
あとはスポンサーについて頂く際に見たことも聞いたこともないようなスポーツということで印象があまりよくないというか、下に見られるようなことは少なからずありました。 あと面白いのがフットバッグの技をフリースタイルフットボーラーが使ったりしています。だから技名が同じだったりとか。同じ動きだけど違う技名を付けているものもあります。サッカー選手が遊びでやっていることはあったとは思いますが。
 
――フットバッグをやっていて嬉しかったことはなんですか。
 
知らない人の前でパフォーマンスをした時に驚いて知ってもらえた時は嬉しいですね。あとは実際にフットバッグを触ってやってもらって、楽しいと言ってもらえることです。選手でもあるので大会で勝てれば嬉しいです。
 
【後編】につづく