石河毅也。東京パラリンピックを目指す20歳の魅力は、積極性と自信。
本日は、日本パラサイクリング連盟強化育成選手である、石河毅也さんに来て頂きました。石河さんは、2020年の東京パラリンピック出場を目指し、日々トレーニングをしております。本日も、打ち合わせ場所まで自転車で来てくださいました。
野球、水泳、フロアボールなど様々なスポーツを経験
ー本日はよろしくお願い致します。上半身を見ても、良い体をしているのがわかりますね!
いえいえ。そんな事無いですよ。自転車に毎日乗っているからですかね。
ー非常に優しそうな顔をされているので、上半身を見ると、「オオ!」ってなります。前回別な場所でお会いした際に来ていた服装からも、肩幅含めがっちりしているなと思ったのですが、やはりトレーニングをする格好ですと、体のラインが出るので凄さが分かります。
ありがとうございます。まだまだですけど。
ー早速色々と聞かせてください。石河さんが、自転車に出会うまでの経緯を教えて頂けますか。
はい。私も実は小泉さん(筆者)と同じで、小学校そして中学校途中まで野球をしていたんです。小学校の頃は水泳もやっていました。その後フロアボールというスポーツが面白くて、それにハマりまして、高校卒業近くまでやっていましたね。
ー なるほど。結構色々なスポーツを経験されていますね。失礼ですが、色々なスポーツを出来る体ではあったんですか。
色々やってみる方なんですよね。なのでたくさんのスポーツをしてみました。ただ、私の場合「二分脊椎症」という障害を生まれつき持っております。症状は人によって様々なのですが、私は足に影響があり、人より足が遅いです。野球で例えると、普通の人なら2ベースである打球がシングルヒットになる。くらいですね。脊椎にコブが出来て歩くことが出来ない人もいる障害です。私の場合、幸い人より少し劣るくらいだったので、不自由に思った事はありませんでした。むしろ今挑戦出来ていることに繋がっているので、まったく問題無いですね。
ーそのセリフは、ご両親も非常に喜ぶと思います。
今の現状をどう捉えるかは自分自身次第だと思いますよ。楽しい事をすれば、障害を持ってても関係無く楽しいと思います。僕は。
ー境遇や状況は人によって違うけれど、その現状を楽しめるかどうかは本人次第。石河さんが言うと説得力あります。
ありがとうございます。それで、結局自転車を始めたのは高校3年くらいです。マウンテンバイクで遠出をするのが大好きだったんですよね。その頃から100Kmくらい遠出をしていました。それで、もっと遠くへ行きたい。そう思ったときに始めてロードバイクを買いました。それが、自転車の道に進むきっかけです。
強化選手、そしてパラリンピックを目指して
ー自転車競技の魅力は何ですか。私も自転車に乗るのが好きというのは感覚的に分かるのですが、競技となるとまた違う気がします。
人と人との関わり合いが競技内で非常に多いんですよ。競技中他の選手と話すことがかなり多い。また、競技の途中でご飯を食べたり、広大な景色を眺めながら走ります。最後の最後まで競技者全員仲間という感覚でスポーツが楽しめるんです。
ーヒルクライム(坂を上ること)が凄く大変で、ダウンヒル(坂を下ること)が最高に楽しい!そこから見える景色も素晴らしい!というイメージが自転車競技にありましたが、全然それだけではないんですね!
その話で言えば、僕は下りはそんなに好きじゃないんですよ。好きなシーンで言うとスプリント(ゴール前の何百m)が大好きです。みんなくだりが好きというよりは、競技でやってるというのもあるので、得意なシーンが大抵好きだと思います。勝ち負けじゃなくて競技を楽しめという言う人もいますが、勝てないと楽しくないですからやっぱり(笑)
ー負けず嫌いだとより一層練習にも身が入りますよね。石河さんは自転車を初めて、大会に出たときはどうだったんですか。自転車に乗っていた経験からそこそこ良い順位を取れたりしたんですか。
その時は、フリーでエントリー出来る大会に出たんですよね。とりあえず出てみれば周りのレベルとかもわかるかなと思って。そうしたら・・・もう・・・なんていうか完全な惨敗です。何をしたらいいのか分からなくなるくらいに見事に叩きのめされましたね。最初からおいていかれました。今までもトレーニングはしてきたつもりだったんですが、まったく足りない事が分かりました。
ー大会が終わった後、どんな思いでした。
心から「ちくしょー!!!」って思いましたよ(笑)
ーそこから強化選手になるまで激しいトレーニングがはじまったというわけですね。
そうですね。最初は先ほど話したように何をやれば良いのかまったくわからなかったので、自分なりにトレーニングを調べたり、クラブチームにトレーニングを聞いたり。それをアレンジしたり。それを持続して続けて大会に出て。少しずつ順位もタイムも上がっていって。繰り返し続けてきた。という感じです。
ートレーニングを持続するというのはとても大変なことだと思います。それを支えたのは、どんな思いでしたか。
「ちくしょー!!!」って思うことですよ毎回(笑)
ー思うような結果が出なくても、辞めた。ってならないのは強さですよね一つの。自転車競技をしていて、嬉しかったことはどんなことですか。
やっぱり結果が出る事は嬉しいです。最近で言うと、2013年1月から強化育成選手に選ばれた事です。今は20歳という年齢ということで今後に期待して頂いている部分もあると思うので、もっともっと頑張って次は強化選手になり、パラリンピックで活躍出来るところまでいきたいです。
ー東京も含め、今後の活躍を楽しみにしております。石河さんが大会で自転車に乗っているところも見たいのですが、石河さんがよく出場される自転車の大会はどこで見る事が出来るのですか。
いや、それが自転車競技をやるとなると当然道路を閉鎖したりしないといけないので、地方が多いんですよ。結構遠征するのにお金がかかったりもして。そこは、自転車競技をみんなに楽しんでもらう上では一つ課題かもしれませんね。国内で一番大きいレースだと、ツアーオブジャパンとかがあります。自転車競技観戦における最大の魅力は、オリンピックもそうですが無料で観戦出来る事が最大のメリットだと思います。有名な、ツールドフランスは何万人も見に来るんですよ。
ー東京の公道を自転車が何百台と爆速で走っているのもなかなか楽しそうですけどね!1ヶ月に1日そんな日を作っても良いのでは…、なんて無責任なこと言うと怒られてしまうかもしれないですが。
それ、嬉しいですね(笑)