“日本サッカーの未来を創る新しいアイデア”を。JFA×慶應大のハッカソンを知っていますか?

2016.10.17 AZrena編集部

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10月10日、JFAハウスにてあるハッカソンが開催された。それが、”JYDデザインキャンプ”だ。これはJFAが2016年よりスタートさせた、競技の普及や次世代選手育成の促進を目的としたプログラム“JFA Youth Development Programme(略称、JYD)”の活動の一環。

世の中の多様な社会課題に対してシステム・マネジメント・デザインの観点から解決への取り組みを行っている慶應義塾大学大学院SDM研究科との共同開催により実施された。

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記念すべき第1回のテーマは“Football for Family”。サッカーが家族や仲間、そして地域のためにどう貢献できるか、というものをあらゆる視点から考えるものだ。

ただ、これは冒頭で伝えた日程”だけ”で行われたものではない。8月より高校生以上を対象とした一般公募が始まり、それにより選ばれた約50名の参加者が9月11日のアイデアソンで集まり、そこから約1ヶ月、10月10日のハッカソン(本発表)に向けてグループの仲間同士で連絡を取り、集まり、構想を練るという過程がある。

ちなみに前者のアイデアソンは9月11日に開催され、その日に初顔合わせとなった参加者が、割り振られたグループでアイデアを出し合った。「色んなバックグラウンドの人が居る中で、はじめましてという中で話し合いました」と参加者の男性は語ったが、一般企業勤めの方がいれば、主婦、スポーツ関係者、大学生など…年齢も職種もばらばらなメンバーが一堂に会す。しかし、その中でもある共通項は「全員が“サッカーが好き"ということ」だと関係者は語った。

※アイデアソン(特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、それをまとめていく形式のイベント)

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中には「メンバーの1人が名古屋に住んでいて、(アイデアソンからハッカソンまでの間)なかなか集まる機会がなかった」という声もあったが、それでも連絡を取り合い、ハッカソンに向けて奔走してきたグループもあった。そして迎えた当日、審査員には公益財団法人日本サッカー協会 事務総長・岩上和道氏やJYDアンバサダーであり元日本代表の北澤豪氏に加え、レピュコムジャパン代表取締役社長・秦英之氏、MITメディアラボ所長補佐で株式会社ロフトワーク代表取締役の林千晶氏という豪華な面々が出席。

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 各グループは1ヶ月の締めくくりということで、文字通り”ラストスパート”。これまでのアイディアを整理し、プレゼン用の資料や映像をまとめ、全8グループが7分間の発表に臨んだ。

サッカーを通じた人間形成を育む学術機関や、サッカーをする子供を持つ親向けのスマホアプリ、また地域を巻き込んだ新たなサッカーイベントなど様々な案が出された。その中で栄えあるJYDデザインキャンプ賞に輝いたのは、地域のチームが地元でお世話になっている商店や居酒屋などをユニフォームのスポンサーと迎え入れ、支援する“逆サポーター”を提案したFISH INTERNATIONAL。ちなみにこのチームは文中で紹介した、“メンバーの1人が名古屋にいるチーム”である。

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「若手の育成のために日本のサッカー界を下から支えていかなければいけない。JYDのプログラムは非常に大事で、こういう形でアイデアソンやハッカソンが出来たのは素晴らしいこと。今日も、みなさんがサッカーのことを一生懸命考えて下さって、大変素晴らしいプレゼンテーションも聞けた。こういうことを日本サッカー協会も活かしていきたい」と語るのは岩上氏。

「JYDのイベントでサッカー協会はこういう考えを持ってやっているというのを発信していくのは大事なことだし、これからもどんどん続けていけば、裾野が広がるんじゃないかなとも思っているので、こういう活動は大事だと思います」今回、イベントに参加をした元なでしこジャパンの永里亜紗乃氏もこう口にした。

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元なでしこジャパンで今年の春に現役引退した永里亜紗乃氏も出席(写真右)

 ”日本サッカーの未来を創る新しいアイデア” を出し合い、形にする。日本全国のサッカーファンも、1度は「こういう風にすればもっとサッカー界は活性化するのに」と考えたことはあると察するが、強い思いを持った多くの同志が集まることで意見を交換しあう機会はそう多くない。

そういう意味でもこのプログラムは日本サッカー界の発展において、形になるならないはさておき、非常に意味があるものといえるだろう。