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なぜヴェルディ?応援とは何なのか?全力さんがすべてを語る

2016.11.04 / 竹中 玲央奈

加納広明氏

NPO法人スポーツ業界おしごとラボ(通称・すごラボ)が開催する「すごトーク」。

今回は、2014年のキリンチャレンジカップ・日本vsジャマイカ戦において、スタンドで激しく応援し、息切れする姿がTVカメラに抜かれ、一躍有名になった「全力さん」にお話を伺いました。日本代表及び、東京ヴェルディをサポートする加納組(応援団)に所属する加納広明氏。彼が考える、サポーターとして全力で応援する姿勢。そして、サッカーとの出会いについてお話を伺いました。

 

サッカーとの出会い

私はサッカーのプレー経験はありませんが、シドニーオリンピックを見てからサッカーを好きになりました。南アフリカ戦の試合を見てからです。高原選手のゴールは未だに記憶に残っていますね。そこから、日本代表のファンになりました。

初めて日本代表の観戦に行ったのは2003年です。そこから数年間観戦する時期が続いて、本格的に日本代表の“応援”を始めたのは2009年だったと思います。一方、ヴェルディの観戦を始めたのは2007年からで、応援らしきものを始めたのは、2008年の夏です。当時はJ1にいたのですが、最終節に川崎フロンターレに敗れてJ2に降格したんです。本格的に応援するようになったのは、ヴェルディのJ2降格が決まった翌年の2009年からです。日本代表もヴェルディも2009年から本格的に応援を始め、ファンからサポーターになりました。

ヴェルディのファンになった理由は、まず、ホームタウンが近かったからです。ある日、開幕前にFC東京戦の、東京ダービーのプレシーズンマッチに行ってみようと思ったんです。その時は、特に理由はなく行きました。そこから、次節もまた観戦しに行こうという感じで、徐々に会場に足を運ぶようになりましたね。

当時のヴェルディには、フッキ、ディエゴ、服部年宏選手がいました。一方、FC東京には、福西(崇史)選手や土肥(洋一)選手がいました。力関係では、ヴェルディは負けていましたね。最初の観戦時にはメインスタンドで見ていたんです。それで、「どっちのスタンドに行こうかな」と考えた時に、FC東京の方は人で一杯だったのですが、ヴェルディの方はスカスカだったんです。単純に「席に座れる」と思い、ヴェルディ側のスタンドに行きました (笑)

そこから少し期間が空いて、次に観戦しに行ったのはGW中でした。その試合で、ヴェルディは当時最下位だった水戸に1-5で負けてしまったんです。その結果、公式戦7連敗となりましたが、観戦しに行くのを辞めようとは思いませんでした。

その時は、スタンドの端っこにいるライト層として観戦していて、そのままシーズンは終わりました。そして新シーズンになり、応援に加わりたいと思い、2008年の夏から本格的に応援しようと、応援グループに混ぜてもらいました。そんな中、2008年にヴェルディがJ2に降格してしまいました。

私は、J2に降格しても応援しようと思っていたので、翌年の開幕戦に行ったのですが、応援グループのメンバーが誰も来なかったんです。当然、メンバーに連絡をしたのですが、「もう行かない」と言われてしまいました。自分が1人ぼっちになった瞬間でしたね。実際に、J1にいた時の観客動員数は1万人でしたが、J2に降格してからは3000人まで減ってしまいました。そこから危機感が出てきて、「自分が応援しなければ!」と思ったんです。

 

全力で応援するようになった転換点

加納広明氏

そして、私が全力で応援するようになった転換点の試合があります。これはよく覚えているんです。2009年、3月末の国立で開かれた栃木戦です。

その時は、栃木がJFLからJ2に昇格した1年目でした。試合は、ヴェルディがPKで得点を決めて何とか勝利したのですが、昨年までJ1に居たヴェルディが大苦戦するとは思わなかったんです。その試合が終わった時に、「本当にヤバイ」と危機感を覚えました。あの試合が転換点ですね。

あの試合から、私の中の「応援」の意識が一変しました。サポーターは応援するからには試合に「参加」しなければいけないと強く感じ、その試合以降は全力で試合に「参加」し、応援するようになりました。

 

それ以降、ホームでの開催に関しては、2016年までで1回だけしか欠席していません。その試合は、2009年、平日に味の素フィールド西が丘で行われた仙台戦でした。どうしても外せない用事があり、行けなかったんです。その1試合以外、ホームは全試合応援に行っています。アウェイも7〜8割で応援しに行っています。

日本代表に関しては、地方での試合は平日開催が多いので、全く行けていません。関東での開催に関しては、2007年から数えると、2試合を除いて全試合行っています。その行けなかった2試合は、最近だと2010年のザックジャパンの初陣のアルゼンチン戦です。その前は、岡田ジャパンの2戦目のキリンチャレンジカップの試合です。基本的に、周りをうまく説得して応援に行っていますね。

 

3試合で靴が壊れるほど全力に応援

加納広明氏

丁度ジャマイカ戦でテレビに映った時は、U-20時代の高木大輔選手のユニフォームを着ていました。周りに高木選手のユニフォームを着ている人は誰もいませんでしたね (笑) ヴェルディの選手からA代表で試合に出たのは、当時1試合だけですが、2008年の時の大黒(将志)選手ですね。ヴェルディの選手が代表に絡むのはやはり嬉しいです。

ただ、活躍した選手が移籍して行く辛さはありますし、なかなか割り切る事が出来ないですね。毎週、試合の前日に練習場で会っているので、親近感も湧いているんです。でも、これがプロの世界ですよね。

応援している時の様子でよく過呼吸になっていると言われますが、あれは単純に疲労です (笑) 全力疾走した後の感覚に近いです。周りの方もあそこまで応援している人はいないので、違和感があるのでしょうね。

応援中はそれに集中するあまり、試合をしっかりとは見ていないです。現地では応援をしに行って、試合内容は帰ってからスカパー!で確認します。負けた試合を見るのは辛いので、勝った試合だけですけど (笑)

私は、ハーフタイムの間に履いているランニングシューズを変えるんです。前半と後半でシューズを変えるのは理由があります。同じシューズを履き続けていると足が重く感じてくるんです。でも、後半から新しいシューズに変えると凄く軽く感じます。だから必ず、前半・後半用の2足のシューズを持っていきます。ちなみに、このシューズは後半用です。 3試合で壊れてしまいましたが (笑)

 

全力さんが目指すサポーター像

加納広明氏

私は試合中のブーイングが苦手です。試合結果とか試合内容とか、状況を見て判断してする必要はありますが…。

例えば、重要な試合で負けてしまっても、選手が頑張っていた時にブーイングをするのは駄目だと思います。選手が気を抜いてプレーをしている時は、ブーイングは必要だと思います。拍手で出迎えるか、ブーイングをするかは状況によって切り替えます。ここで迂闊にブーイングしてしまって、空気を悪くしてしまうのも良くないと思うので。

一度選手の後押しをして、次に繋げるというのが大切です。そこの判断は難しいですが、意味のあるブーイングをしなければいけませんね。怖い雰囲気を作っても、サポーターは着いてきてくれないと思います。

私は、サポーターとして応援に行くからには、選手のサポートをしなければいけないと思っています。そして、私が考えるサポーターとしてあるべき姿は、「気持ちの面での応援の参加」だと思います。座っていても、手拍子などで参加は出来るので、これから多くの方に、気持ちの面で試合に参加をしてほしいと思っています。

 

全力さんが選ぶ東京ヴェルディの歴代ベストイレブン

プレーでは選んでいません。主に人柄で選んでいます (笑)

監督は、三浦泰年さんです。当時、毎週会っていたのですが、気を遣ってくれて、本当に優しくて良い人なんです。GKは柴さん(柴崎貫広選手)です。本当に良いお父さんで、柴さんのお父さんと奥さんも素敵な方なんです。CBは、カンペーさんでお馴染みの富澤清太郎選手です。カンペーさんも本当に良い人なんです。もう1人のCBは高橋祥平選手です。祥平は、愛すべきキャラなんです (笑) ヴェルディが大好きなのが伝わってきて、子ども達に優しく人間味があります。

左SBは、安在和樹選手です。安在さんは、いい意味でプロっぽくない雰囲。気で、話しやすいんです。右SBは、安西幸輝選手です。幸輝も情が熱い人なんです。ボランチは悩みますね。

ボランチは1回置いといてもいいですか(笑)

FWは相模原の井上平選手です。平さんは、1番好きな選手です。人として本当に尊敬します。2トップの相方は、ブリオベッカ浦安の竹中公基選手です。竹中も良い人なんです。中盤は難しいですね。これはギブアップありですか (笑)だめですか…。

加納広明氏

では、ブリオベッカ浦安の秋葉さん(秋葉勇志選手)。苦労人なんですが、良い人なんです。以前所属していた群馬の高崎のチームが消滅してしまったこともあって。秋葉さんをボランチにしましょう。あとは…大ちゃん(高木大輔選手)!大ちゃんを忘れていました!ボランチもう1人いるのかな (笑) 澤井直人選手をボランチにして、2列目を小池純輝選手にします。

これで出来た、完成です!12人に絞って選びましたが、基本的にヴェルディに今現在いる選手、過去にいた選手はみんな大好きです (笑)

加納広明氏

加納広明氏が選んだ東京ヴェルディの歴代ベストイレブン