属性によってこんなに変わる!データで読み解くスポーツのファン層
スポーツ×セグメントマーケティング⁉︎
近年、スポーツビジネスは規模拡大の一途を辿っている。2020年には東京オリンピックを控え、スポーツの広告価値は今後も高まると予想される。ここで重要なのは各企業にとって最適なスポーツがマッチングできるかどうかだ。
『セグメントマーケティング』という言葉がある。大衆に向けて無差別的に宣伝するのではなく、性別・年代・居住地・趣向など様々な属性をグループ化してターゲットを絞り、ピンポイントでマーケティングを行うことだ。こうした手法が主流になる中、スポーツに目を向けると“どのスポーツがより若い女性にリーチできるのか”、“どのスポーツが老若男女にバランス良くアピールできるのか”といった情報はなかなかスポーツ界の外に発信されていないように感じられる。
そこで今回の記事では、スポーツがそれぞれどのような層に支えられているのかを分析していく。
1枚目のグラフは国内リーグの興味関心度、2枚目のグラフは各リーグファンの性別・年代別の構成比を示したものである。
興味関心度で首位に立ったプロ野球は、性年代構成比を見ても幅広い層からバランス良く支持を受けていることがわかる。また、トップリーグが圧倒的に中高年の男性に支持されているのに対し、Bリーグは男女比も1:1に近く、若者の支持も得ていることなどが読み取れた。リーグによってその個性が色濃く出ていることが伺える結果となっているのではないだろうか。
女性の人気が高い男女バレーボール。年収と相関があるのは…?
上のグラフは、縦軸がファンの性別構成比(上にいくほど男性の割合が高い)、横軸がファンの世帯収入(右にいくほど世帯年収が高い)を表したものである。また、バブルの大きさはリーグに対して興味を持っている人が多いことを示している。
このグラフでまず目を引くのが、Vリーグが男性より女性を取り込んでいるという点だ。大多数のスポーツが女性より男性を取り込んでいる中、Vリーグは男子リーグも、女子リーグも6割ほどを女性が占めている。“スポーツ”であることと“女性に多く見てもらえる”ことの両方の特性を兼ね備えているだけに、例えば働く女性をターゲットにしたような広告を作る際、Vリーグはかなり親和性が高いと言えるのではないだろうか。
また、世帯年収順に上から見ていくと、1位がJGTOツアー(男子)、次いでJGTOツアー(女子)、Xリーグと続いた。こうした順位となったのは、ファンの年齢層が比較的高いことが原因だと考えられる。とりわけシニア層に人気の高いゴルフが1位2位を独占したのも納得の結果と言えるだろう。
ここまで見てきたように、一括りにスポーツと言ってもそのファン層は種目によって大きく異なる。こうした特色の違いを理解し、発信することで、スポーツの広告価値はますます高まり、スポーツビジネスのさらなる発展と拡大が期待できるだろう。
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