1年で28%上昇。オリンピックの開催地認知率はこう伸びる
熱狂を生んだ今年の冬季五輪。その開催地は韓国・平昌
日本人選手のメダルラッシュもあり、連日大いに盛り上がりを見せた平昌五輪・パラリンピック。平昌という街に、世界中のスポーツファンの視線が一挙に注がれた。韓国の北東部に位置する平昌は元々、夏は避暑地として、冬はスキーリゾートの名所として親しまれてきた場所である。しかしながら世界的にはソウル、釜山といった街ほどの知名度は無く、先の五輪・パラリンピックで初めて“ピョンチャン”という都市の名前を耳にしたという人も多いのではないだろうか。
そこで今回は、平昌という街の知名度が五輪を招致することによってどのように上がっていったのか、ということをデータと共に解き明かしていきたいと思う。
五輪の足音が近付くにつれ、認知率は飛躍的に上昇していく
まずはこちらの円グラフを見ていただきたい。冬季オリンピック・パラリンピックが、韓国の平昌で行われることを知っているかどうかを尋ねたアンケートだ。2016年12月、2017年12月と、ちょうど1年間の間隔を空けて行われたものである。
2016年末の段階では知っている人と知らない人が拮抗しているのに対して、2017年末には知っている人が実に8割を超えている。大会まで残り2ヶ月ほどに迫ったこの時期になると、知らない人は5人に1人もいないのだ。大会が近付くにつれて報道などでも取り上げられやすくなるだけに、認知度は急激に高まっていくようだ。
年代が上がるにつれ認知率も向上し、男性の認知率がやや高い
こちらは先のグラフを性別・年代別に振り分け、細かく分析したものである。このデータによると、冬季五輪の開催地認知に関してより良い成績を残したのは若年層より中高年の世代。そして女性より男性である。しかしながら、女性のデータが男性のデータに匹敵している箇所も多い。若年層においても1年間を通して認知率が大幅に向上している。決して若年層や女性も関心が無い訳ではなく、五輪・パラリンピックの話題はあらゆる層を巻き込んでいたようだ。
さて、2年後の2020年に東京五輪・パラリンピックが控えているのはもちろんのこと、今後行われる冬季五輪・パラリンピックにも札幌市が招致を表明している。このように国際的なスポーツイベントを招致することは都市のプレゼンスを高め、長期にわたって観光客が増えるなどの波及効果をもたらすこともあるかもしれない。
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