【後編】強化育成選手としてパラリンピックを目指す弱冠20歳。その魅力は、積極性と自信にあり
マイナースポーツで上を目指すには、積極性が必要
ー自転車競技をする上で、自転車は必須だと思いますが初期投資はどれくらいかかるのですか。
僕が今使用しているロードバイクは、大体30～40万円くらいですね。トッププロが使用している自転車は200万円以上です。そこそこ良い車が買えてしまう額です（笑）軽さだったり、振動吸収だったり、他にもパーツでこだわりだすと結構費用が高くなってしまいます。ただ、だからといって友達に借りて走る。とかはあまりしない方が良いです。ロードバイクは乗り手が命を預けるものなんです。いわば一心同体であるべきもの。確実に、持ち主に合うようなものにするべきです。特にフレームのサイズは店員としっかり話して、自分の体形に合うものを選ぶべき。試乗させてもらうのが一番良いと思います。
ー勉強になります。やはり全然違うものなのですね。私は自転車に関しては本当にド素人なんですが、弊社メンバーが私以外全員自転車好きで、箱根越えて静岡まで行ってくる、みたいな人が多いんですよ。始めろって言われているのですが、どういうものが良いのかまったくわからなくて。ギャグっぽい仕様にされる恐れがありますから。弊社メンバーで買いに行ってしまった場合。やっぱり石河さんみたいな方と選ぶなら安心です。
なんでも聞いてください。わかる範囲であれば、是非お答えしますよ。
ーそれでは、ここから石河さんのプライベートなことについて少し聞かせてください。
よろしくお願い致します。
ー自転車と出会っていなかったら、今の自分は何をしていると思いますか？
（熟考）うーん。。フロアボールですね！以前やっていたので。ただ、色々知らないスポーツをやってみたい、と思う気持ちは強いです。
ーアクティブですね。日本で行われているスポーツの数はかなり多いですからね。ただ、知られていなかったり金銭的な問題で苦しんでいるスポーツがかなり多い。それが選手にも影響されていて、アルバイトをしながらオリンピックを目指したり、競技人生を続ける、ということも普通にありますよね。
そうなんですよね。今私は学生なのであまり考えたことは無いですが、卒業後についてはしっかり考えて行動しようと思います。
ー自転車以外の趣味は何ですか。
読書です。ジャンル問わずなんでも読みますよ！
ー自分の魅力を教えてください。
今までの話にもでていたかもしれませんが、積極性。これにつきると思います。なんでも飛び込んでやってみる人間ですので。そもそもパラサイクリングの大会も、どうやって出たらいいか分からなくて協会の人に直接電話して、出場しましたから。マイナースポーツで上を目指すというのは、絶対積極性が必要なんですよ。何故なら、誰も何もしてくれないから。あと強いて言うなら、根拠のない自信を持っていることですね。自信があるので、大会に出る。で、駄目だと根拠をつけて、また自信を持って出る。みたいな感じです。
ー自信を持つというのは大事ですよね。パフォーマンスにも相当関係しますから。
めっちゃ根拠なかった！って思うんですけどね！大会後（笑）
でも次の大会もまた自信を持って挑みます。
ーなるほど。そんな石河さんの女性のタイプを教えてください。
サバサバしていて、自分の意見をしっかり持っている人ですね。今の恋人は自転車ですが。
ーずっと一緒ですもんね（笑）
そうなんです。
自転車競技は、やればやるほど必ず伸びる
ー自転車競技をやっていることに対しての周囲の反応はいかがですか。
自転車を競技でやってます。っていうと、大体興味を持ってもらえるのでうれしいですよね。やはり、自転車というものは誰もが経験しているものだと思うんですよ。小さい頃補助輪をつけて走った思い出から、今乗っているママチャリまで。健康という意味でも注目されていますしね。人脈が広がる。という意味でも、自転車競技をやってて良かったな。と思うことは多いです。
ー自転車はランニングより膝を痛めにくいというメリットもあるので、今後高齢化社会になっていくにつれ更に注目されるかもしれませんね。
そうなると嬉しいですね！そのうえで、競技にも注目が集まれば言うこと無しです。
ー自転車競技のあるあるを教えてください。
そうですね。レースに出ている自転車選手は足の毛をほぼ全員剃っています。しかもレース前に。転んで怪我した時にすぐ処置しやすいようにするためと、空気抵抗を少しでも減らすためなんですけどね！
ーなるほど。毛の処理で空気抵抗ってそんなに減るものですか。
いや、詳しくどれくらい減るっていうのは分からないですけど、少しでも早く。という思いはわかります。ただ、髭がサンタクロースみたいに物凄く長い人とかもいて・・・。そっち剃れよ先に！みたいな人もいますね
ーヒゲ・・・。本末転倒ですね（笑）
そうなんですよ。面白いですよ。
ー色々とお話ありがとうございます。最後に、これを見て頂いている読者に一言お願い致します。
自転車競技は、誰でもできます。運動神経も関係ないんです。心拍の問題も後から練習したら必ず効果が出る。やればやるほど必ず伸びる。自分のタイムが縮んて、速くなっているな！と体感するのも、自転車に乗ること自体もとても楽しいので、是非一度やってみてください！
石河 毅也
（いしこ たけや・自転車競技）出身競技は野球、水泳、フロアボール。高校3年生から自転車に熱中し、現在は日本パラサイクリング連盟強化育成選手として活躍。2020年東京パラリンピック出場を目指している。