2度の日本代表不採用を乗り越えてー。下町ボブスレー×ジャマイカ代表が世界の常識を覆す!

2016.12.21 森 大樹

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2度目の不採用通知と海外チームへのアプローチ

2015年11月。平昌五輪で日本代表が使用するソリを決めるためのテストがドイツで行われた。

現場では下町ボブスレーとスポンサー企業が購入し、連盟に貸与しているドイツ製のものが比較されることになった。テスト日程として予定されていたのは1日のみ。

ここで下町ボブスレーはドイツ製のソリを上回る成績を残した。しかし、選考テストは思わぬ展開を見せる。

「1日でテストしますという話だったのにコースでタイムを取って下町のソリの方が速かったら、2日目が行われることになったんです。彼等の言い分としては、1日目は条件が一緒ではなかったと。最終的に2日目が公式のタイムとされ、我々は負けました。タイムは僅差だったのですが、それならば一緒に開発を行える下町のソリとそれができない海外のソリ、どちらが良いでしょう?夢があって色々なトライ出来るの我々のソリだと思いませんか。」

下町ボブスレーを日本代表が採用し、“オールジャパン”の体制で臨んで結果を残すことができれば、世界に向けた大きな発信力になると分かっているからこそ出た本音であろう。

この一連の選考方法と結果を受けて、下町ボブスレーは国内から海外に目を向けることになる。

いくつかの海外チームにテストのオファーを出した中で実際に来日してテストを行うことになったのはジャマイカだった。そしてテストの結果、2016年1月に平昌五輪を目指す同国の代表が下町ボブスレーを採用することになった。ボブスレーとジャマイカといえば(※)映画「クールランニング」を思い浮かべる人も多いかもしれない。

※クールランニング:1988年カルガリー冬季五輪に初出場したボブスレージャマイカ代表の実話を元にした映画。

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南国は練習環境の問題などもあり、冬季五輪でなかなか結果を残すのが難しく、ジャマイカもその例外ではない。ソチ五輪では最下位(男子2人乗り)に沈んでいる。だが、今回のジャマイカ代表チームに勝機がないわけではない。

「去年からアメリカ国籍だった選手がジャマイカに帰化したんです。元々アメリカ代表でソチ五輪にも出場していた一流選手が入りました。ジャズミン選手といって、W杯総合3位の実力を持った選手が来てくれました。これによってソリの本当の良し悪しが分かるようになるんです」

これまではテストしてもらっても選手の技量が向上したのか、ソリが良くなったのか、判断がしにくく、タイムが上がったとしても何が原因なのか分からない事が多かったのだという。

その点世界トップクラスの選手と一緒に開発を進めていけるということは下町ボブスレーにとって、願ってもないチャンスなのだ。

そしてそのジャマイカ代表を率いるのもまた、ボブスレーアメリカ代表として五輪で銀メダリストとなった経験を持つトッド・ヘイズコーチである。

「ジャマイカは冬の競技ではメダルがない。だからこそ、歴史的な快挙を作りたいという思いがあるんです。下町ボブスレー、トッドさん、ジャズミンの3本柱で今回の五輪はメダルを獲りに行くというプロジェクトになっています」

日本代表での採用は叶わなかったものの、國廣氏は平昌五輪に向けて自信に満ちた表情で語ってくれた。

 

後編へ続く