どのスポーツが注目を集めているのか…年代別に見て分かったこと
2020年に行われる東京オリンピックでは、スポーツクライミングやサーフィンなど新たに5競技18種目が実施されることが決定している。これにより339種目が東京オリンピックで行われる。
それによりあまり知られていなかったスポーツがPRに力を注ぎ、街中でも目に触れる機会が増えてきた。そうしたこともあり、人々のスポーツへの関心は自分自身の興味のある競技から、多くの競技へ向けられるようになった。
その中で今、最も注目度を集めているスポーツはどれになるのだろうか。ニールセンスポーツが調査したデータをもとに紐解いてみたい。
世界で結果を残すスポーツに注目が集中
※上の図は最近注目し始めたと答えたトップ5のスポーツ
まず、全体の数値を見ると一番人気が高いのが卓球である。次に高いのが1パーセント差で陸上競技:トラックということがわかった。この2つの競技の共通点は2016年に行われたリオオリンピックで、卓球は個人、団体でメダルを獲得し、陸上は男子4×100mリレーで銀メダルを獲得している。このように好結果を残したことがデータに現れたのだろう。
オリンピックを受けて、競技の面白さが再認識されたことがうかがえる。陸上に関しては2017年の9月に男子100メートルで桐生祥秀が日本人初の9秒台を記録したことも陸上全体の底上げに繋がり、人気を高めることに繋がったのではないだろうか。
3番目と4番目に人気の高いテニス、水泳を見てもわかるように世界で結果を残しているスポーツに注目が集まっていることがわかる。国際大会は国内外の多くの人の視線が集まる場である。特に日本の選手が結果を出すことが競技のアピールに繋がり、注目度を集めることになるのではないだろうか。
そうした中で5位になった野球は2017年に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本代表がベスト4に終わるなど、ここ数年国際大会で結果を残せていない。スポーツを新たに注目する大きな指標が“世界で活躍しているか”とするならば、国内で圧倒的な人気を誇る野球といえど、安心はできないだろう。
男女そして年代でスポーツの注目の仕方に違い
※上の図は最近注目したスポーツを男女、年代別にまとめたもの
※上の図はやってみたいと思うスポーツを男女、年代別にまとめたもの
今度は性別、年代別のグラフを見てみよう。
卓球は男女共に中高年層が注目していることが分かる。やってみたいスポーツ競技のグラフを見ても中高年層が多く関心を示していることが分かった。卓球はプレーすることの手軽さもそうだが、先ほど述べたように今、日本の卓球は世界レベルで結果を残している。今回の調査結果は、その人気の現れとも言えるだろう。また、生涯スポーツとして、健康志向からの注目を集めていることがうかがえる。
続いて若年層に目を向けてみよう。女性の10代はバレーボール、20代は体操:体操競技が1位となっているがこれは石川祐希(バレーボール)や内村航平(体操)といった女性に人気の高いアスリートが活躍していることが理由ではないだろうか。また、中高年層と比べると最近注目しているスポーツとやってみたいスポーツにばらつきが多く、スポーツの注目の仕方が違うことが分かる。若年層は競技のアイコン(人気選手)に注目が行き、いざプレーするとなると“オシャレ”や“面白さ”に重きを置くのに対し、中高年層は“健康志向”や“話題性”があるものに注目が集まる。
男性の若年層については、メジャー競技に注目が集まっており、サッカーと野球の人気が根強いことがわかる。また、やってみたいスポーツで男性の中高年層のグラフを見てみると、ゴルフなど一種のステータスとも言えるべきものが並んでいる。
こうしたことから男女、年代別でスポーツの注目の仕方を見てみると、それぞれが異なる視点でスポーツを見ていることがわかった。
こういった特性に合わせて、オリンピックやスポーツ産業の活性化のためにPR活動を行って行くことが求められるだろう。
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