女子プロ野球観戦で抑えるべき4つのポイントと、その裏側
プロ野球は間も無く交流戦に突入するが、“もう一つのプロ野球”・女子プロ野球も白熱した戦いが続いている。そこで今回は女子プロ野球・埼玉アストライアのホームゲームにお邪魔し、観戦したくなるポイントを取り上げたい。これを知った上で観戦に行くとさらに楽しむことができるだろう。
男と男の真剣勝負もいいが、健康的な女子選手達が全力で楽しそうにプレーする姿を見て、週末の癒しとしてみてはいかがだろうか。
埼玉アストライアの次回ホームゲームは5月21日(土)、22日(日)に越谷市民球場(いずれも13時プレーボール)で行われる。
(試合詳細はこちら)
リーズナブルにいい席で観戦できる!
基本的に当日券でも1500円で観戦でき、自由席なので早めに行けばバックネット裏などのいい席で観ることが可能。初めて観戦する人にとって選手の迫力を近くで感じられるのは魅力的で、野球好きにとってもボールの軌道などを確認できるのは嬉しいところ。
ファンクラブ「TOMOクラブ」は何と200円で入会可能(プレミアム会員は3200円)。入会すると球場に先行入場ができる他、グッズの割引や限定イベントへの参加権が付いてくる。入会時に「推しメン」を指定し、その選手の限定カードももらえる。
会員は一塁側ベンチ上のTOMOクラブ専用シート(エリア内自由席)にも座ることができる。
初めて観戦する人は「推しメン」と言われても、そもそも選手が分からない…そんな悩みを解決してくれるのが、「女子プロ野球ウォーカー」。
選手名鑑はもちろんのこと、私服姿の写真や球場近隣のグルメ情報なども網羅されている。球場外のグッズ販売ブースで買うことができるので、観戦時には手に入れておきたいアイテムだ。
女子プロ野球ウォーカー(907円+税)
“選手に会える“のが女子プロ野球の魅力!
球場外には様々なブース設置や物品の販売コーナーなどが用意されているが、実はその準備は主に選手達が行っている。特に試合前の設営準備はベンチ入りメンバーも含めた、多くの選手の手によって行われる。その日ベンチ入りしない選手は45分早く、球場入りして準備にとりかかるとのこと。
“美しすぎる女子野球選手”として話題になった加藤優選手(左)も設営の準備
入口には選手手作りの背番号ボード。
ベンチ入りしない選手は基本的に球場外で物品の販売を行っている。買いに来たファンが合間にサインを求める場面もあった。試合はもちろんのこと、実際に選手と触れ合える距離の近さは最大の魅力!
その他の選手も前売りチケットの販売、試合前の清掃等、プレー以外のことまで自分達の手で行っている。
選手からサインをもらうことも可能
この日はベンチ入りすることができなかった熊崎 愛選手に話を聞くと、やはり選手が物販などを行っていると驚かれたり、理由を問われたりするケースもあるとのこと。一選手として仲間の試合中に球場外にいることについては複雑な表情を見せていたが、それでも「球場に来たお客さんをおもてなしする心は変わらない」と来場者への感謝とホスピタリティの精神を忘れない。
「多くの人が観に来てくれているということを実感したり、来場者はどのタイミングで外に買い物に来るのかが分かった」とベンチの中にいると気づけない発見もあるようだ。「選手が物を売ることによって、こんなに買ってもらえるのは驚きでしたし、試合に出られない分こちらで頑張ろうと思っているところに、お客さんが来てくれるのは嬉しい」と最後は気丈に話してくれた。とはいえ、言葉の端々から厳しい実力主義の世界に身を置く選手としての悔しい気持ちが強く感じられたのも事実。
グラウンドでプレーする選手もベンチ外で物販をする選手も女子プロ野球を盛り上げたい気持ちや野球に取り組む姿勢は変わらないので、温かい応援の言葉をかけてあげたいところ。
設営準備を行う熊崎選手
実際に記入している姿を見ることはできないが、対戦相手のスカウティング(分析)のための試合の細かいスコアも実は選手が付けている。担当するのは次の試合の先発予定選手。スコアシートには一球毎の球種とコースまで事細かに記入される。
次の日に先発予定だった埼玉アストライア・萱野未久投手(手前)と京都フローラ・植村美奈子投手(奥)
選手が販売、プロデュース!?スタジアムグルメを見逃すな!
今年から球団所有のキッチンカーでの飲食物の販売も行われており、そこでは選手から飲食物を購入することができる。
トルティーヤライスドッグ 500円:ソーセージ、チキンライスに相性抜群のとけるチーズをトッピングし、トルティーヤ生地で巻いた新食感グルメ。
奥村奈未選手(左)と萱野未久選手(右)もおすすめ
他にも球場外ではその日のピックアップ選手が好きな食べ物が入った選手プロデュース弁当が売られている。
第3弾 磯崎由加里選手、加藤優選手プロデュース・ビビンバ&ハンバーグ弁当 800円
第4弾 佐藤千尋選手プロデュース・中華弁当
「初めは売れるのか怖い部分もありましたが、用意してきたものはおかげ様で今のところ全て売れています」と好評の様子を話してくれたのは企画・販売を行う(株)アスレプランニング・室田氏。「選手とは実際に一緒に食事させて頂いてヒアリングをしながら企画を進めていったりもしているので、そうやって協力してくれている選手の力になりたいですね。あとは我々の地元である埼玉で地産地消をしていくことも大切だと思っています。こうやって埼玉のスポーツチームと一緒にやっていくことを通して、他とは違う価値を私達は出していきたいです。」
選手プロデュース弁当はホームゲームのみ数量限定で販売される。試合毎に違ったものを出していき、最終的には全選手のものをやる予定とのこと。その日しか食べられない、地元愛の詰まった弁当もぜひ食べておきたい。
試合前後や試合のイニング間に行われるイベントを楽しむ!
◯試合前
実際にグラウンドに降りて選手とのカード交換会に参加することができる。ここで交換するのは「エイエイオーカード」という世界で1つだけのオリジナル野球カードのこと。交換会に参加できるのはカードを作成した人のみで、人数限定なので、ご注意を。
自分の好きな写真を使ったエイエイオーカードは1,700円(48枚)で作成できる。
試合前、試合勝利後には選手達が踊るダンスを見ることができる。
◯試合中イニング間
アストライア・スター☆9(3回裏)
選手がスタンドに投げ入れたオレンジボールをキャッチすると、それと引き換えに缶バッチと特典がもらえる。その缶バッチを9つ集めると何かいいことが起きる…らしい。アストライア側のベンチの上に向かって投げ入れるので、席の場所はそれを踏まえて選んだほうがよさそうだ。
つなげキャッチボール!(5回裏)
グラウンドに降り、チームでミスをせずに何回キャッチボールを続かせることができるか競う。参加チームは事前に募集されるので、HPをチェックしてほしい。ちなみに最高記録は女子プロ野球・兵庫ディオーネが記録した160回で、ギネスに認定されている。
◯試合終了後
シンデレラツアー
ファンクラブ「TOMOクラブ」の会員で、なおかつ3回裏のイニング間に行われたアストライア・スター9のボールをキャッチした人は試合後にグラウンドに降り、間近でヒロインインタビューを見て、その選手と写真を撮ることができる。
他にもこの日は試合終了後、親子キャッチボール教室が行われた。昨シーズンは選手との運動会を行うなど、試合毎に違った様々な参加型イベントを球場内外で行っている。
こうして見ても分かる通り、選手と直接触れ合えたり、実際にグラウンドに降りるチャンスがあったりと非常に距離が近いことが何よりの特徴だ。
「気軽に大人でも楽しめる週末の娯楽」として、アットホームな雰囲気の女子プロ野球の会場に足を運び、様々な体験を通して有意義な1日を過ごしてみてはいかがだろうか。