menu

スポーツ業界案内人が語る、人脈形成とデュアルキャリアのススメ

2017.03.24 / AZrena編集部

業界人にもデュアルキャリアの考え方を。

自分の長い人生の中での人生設定をしておけば、それがなくなったとしても、また新しく軌道に乗せることができます。これが「デュアルキャリア」という考え方です。

「デュアルキャリア」とは、人生や生涯のひとつの軸を「キャリア」と捉え、そこにアスリートとしての「キャリア」というもうひとつの軸を加えた「二重性」を示す概念と、平成24年に制定されたスポーツ基本計画で示されています。要するに生涯の一定期間において、「人としてのキャリア形成」と「アスリートとしてのキャリア形成」の両方を同時に取り組んでいる状態のことです。私は人間であればアスリートに限らず、各々が生きている役割が絶対にあると思っているので、そこを創るサポートをしています。

今回、すごラボで制定したスポーツジョブライセンスもスポーツや仕事の知識だけではなく、個々のデュアルキャリア構築を柱にしています。人としてここが具体化すると、人生の方向性が確立できるので、その仕事をするという目先のミッションの自分自身の使命が明確化します。

スポーツジョブライセンス:小村氏が立ち上げた、スポーツ業界への就転職を目指す人物の一定の知識や力の目安を示すための資格。取得した資格を通行手形として、業界への仲介サポートを受けることができる。

私は最初に人生のゴール設定を明確化させます。ただ、これは途中で変わっても良いと思っています。未来は変化するものなので頑なになる必要はありません。

ゴールがわかると「だから私は人間をしているんです」という明確な柱ができます。自分が何のために生きているのかがわかるとその人は強いですよね。それを軸に、自分のミッションは何なのか、どうすれば達成できるのか、そのために何をするべきなのか。そういうことが見えてくるんです。

ちなみに、ゴールを創るといっても何もないものを生み出すという意味ではありません。もう既に皆さんの心にあるんですよ。それを無意識でやっているだけです。既に持っているものを掘り起し、見える化して、意識できるようにするだけなのです。ただただ今まで自分が自分と向き合ってこなかっただけであるので気付いていなかっただけです。

私の教えは何かを教えるわけではなく、既に各々が持っている「人としての使命」という強みを一緒に見つける道標人です。それが私の使命だと思っています。

 

その人の人生におけるスポーツの位置付けを考える

私はスポーツ業界を一つのテーマにしていますが、漫画家だろうが芸能人だろうが、話す内容は同じなんです。対象が人間であれば誰にでも通ずるもの。たまたまスポーツ業界にいたからスポーツ業界の話をしているだけです。僕がやっているのは人間を整えてあげることで、それが私の価値でもあると思っています。

だからスポーツジョブライセンスではほとんどスポーツの勉強はしないんです。受講者はスポーツ系の大学や専門学校へ通っている人を対象にしているので、いわゆる知識はそこで勉強しているはずですから。半分はビジネスの一般的なコミュニケーションやロジカルシンキング、マネジメントなどのベースのところで、もう半分は人それぞれの価値の違いに合わせて、その人の価値を整え、人生設計を作ってあげることをやっています。

なぜスポーツなのか? その人がスポーツで何ができるのか? を考えていく、ということです。

即戦力の人材をスポーツ業界は欲しています。その状況下で、この業界への希望者の価値を明確に作ってあげてからマッチングさせることに意味があります。そして、今までの私の教え子も何百人とスポーツ業界で働いていますが、ミスマッチはあまりないんです。一度就職したスポーツ界から戻ってくる人もいますが、また整えてあげてもいます。そうやって戻ってこられる場所も作ってあげる。そうしたホットラインは大事なんです。

人って元気な時は自分でできるんですけど、波があって落ちたりするときもあるので、その時に近すぎず遠すぎず、ほどよい関係のホットラインの存在はすごく大事なんです。そういう位置づけでいることが私の使命だと思いますし、その立場を通してもっとスポーツ業界にたくさんの良い人材を育成して、輩出していきたいですね。

NPO法人スポーツ業界おしごとラボ

スポーツジョブライセンス