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【後編】「40歳は頑張る年」ー サガン鳥栖に愛された男が臨むのは、治療業界の変革

2014.09.11 / AZrena編集部

松田悦典

 

【前編】はこちら

 

現役時代は「いつもギリギリでやってきた」

 

-松田さんが運営しているわらびFit整骨院の魅力はなんですか。

スポーツ外傷にしたら診る視点が全く違うから驚かれると思う。あ、こんなところあるんだって、ここに来てよかったと、一般の人には驚きと感動を与えようっていうのがある。これは人がすごく引きつけられるものだから。そこをすごく大事にしてる。そのために自分の中で作り上げた治療法があって。「フィット式関節調整法」って言うんだけど、それを患者さんに施術していく感じ。

 

-驚くほど治るんですか。

うん。価値あることってシンプルだと思うんだよね。治療業界でもみんないろんなことを考えてるんだけど、知識を増やしてる人が偉いとか、すごい人を診ているから偉いとかそんな風になってくる。だけどやっていることってすごくシンプルで。そういうシンプルなことを与えてあげれば、患者さんもそこまで難しい言葉じゃ説明されないし、長い施術もされないし、簡単に自分の体が治れば人もどんどん呼んでくれるようになる。広告を出さないでも来てくれるようになる。

 

-プロ生活・柔道整復師通して、今までで一番嬉しかったこと、面白かったことは何ですか。また、苦労したことは何ですか。

一番はサッカーで飯食えたことじゃないかな。自分の好きなことで食えて、自分の好きなことで一日を過ごせて、そこに全部を集中できたこと。反面それが一番苦労したことでもあるよね。中村俊輔とか小野伸二とかバカでかい才能を持っていて、次の年も10年先も確約されている。そうやってあなたがやりたければやっていいですよって選手もいるけど、そんなの本当に一握りで。1年間の契約でもがきながらやって、そこで結果を出して次に繋げるってことをずっとやってるから。俺は次の年絶対いけるなって思ったことなんて一度もないし、いつもギリギリでやってきた。楽しみながら、苦しみながら、やってきた。

 

-もし今の時代やっていたら海外目指しましたか。

多分目指したと思う。今だったら指導者とか環境が整ってる。自分みたいな人に出会えればトレーニングから体のケアまですべて教えてもらえる。絶対に自分の過去と同じ道を歩まないと思う。ものすごい環境が整ってる今の状態で海外を目指すっていうのがベストだよね。昔の環境で海外目指すっていったらお前、大丈夫か?って言われた。カズさんもそうだと思うんだけど。でも僕らの年代の人達が指導者になり始めている、昔の考え方じゃない、新しい考えの人達がやり始めているから今はすごくいいと思う。

 

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40歳は「頑張る年」

 

-今プレーしている選手に向けて何かアドバイスとかありますか。

サッカーだけに集中するのもいいけど、世界を広げること。プレーしていればいろいろな人が集まってくるから、人とどんどん会った方がいい。今なら雑誌のインタビューとかあると思うから、そこからどんどん広げていくことが可能。サッカー選手が人間の一流というわけじゃないから、気を遣いながらも、その中で自分の幅を広げるというのは必要だと思う。25歳以上かな、それが分かってくるのは。自分のプライドを抑えて人に頭下げるようになれるのは。

 

-大人になってくるわけですね(笑)

天狗になってますけど、今のお前があるのはいろいろな人の支えがあるからなんだよって分かってくるのが25歳以上だね。

 

-ここからはプライベートなところに迫っていきたいと思います。サッカー選手になっていなかったら何になっていましたか。

僕は社長ですね。一番になりたいんですよね。そっちの方が刺激的じゃないですか。

 

-では今は治療業界で一番を目指すって感じですか。

治療業界はずさんなのでそれを変えたいって思っていたんですけど、人って変わるもんじゃないって、これちょっと無理だなと。だからあれだけいる患者さんでもうちに来る患者さんを笑顔にしていこう。うちで働いてくれるスタッフも本物にしていこうと考えている。考え方が違うと人の話を聞かない人もいるんだよね。治療家同士で話したとしても、話し合いにならないこともあるんだ。治療業界といっても患者さんと話さないといけないからコミュニケーション能力、運営していかないといけないから経営能力が必要で。例えば、

治療(技術)=パス、トラップ、ドリブル
コミュニケーション能力=アイコンタクト、指示
経営=戦術

という三本柱だと思うんだけど、治療業界はずーっとパスとトラップの練習ばかりやっている。つまり技術の話ばかりしている。まあできるようになるのが嬉しいんだろうけど。コミュニケーション能力、経営の話をしようよと言っても話し合いにならないの。俺はここが出来なかったら患者さん診ちゃいけないと思ってる。

 

-松田さんのサッカー以外の趣味はありますか。

特にないけど、今は子供かな。

 

-子供をサッカー選手にしたいとかありますか。

上が2歳、下が0歳なんだけど全くないね。元気であればそれでいい。友達とかがやっていると自然とやるようになるんだろうけど。プロでやってたから分かるわけよ。指示とか。もうそこについて考えるのも嫌なんだよね。監督はああ言ってるけど、本当はこうなんだぞとか言えないじゃん(笑)

 

-ご自分の魅力って何だと思いますか。

日本人特有のおもてなしとか思いやりの部分にすごく長けてると思う。治療の中で。これはある程度までいくとセンスの問題だと思っていて、それを自分は持っていると思っている。その感覚が合う人に会うと無性に嬉しくなる。この間何軒も分院を経営している人に会いに行って、自分も人を増やしたり、分院を開きたいって相談したんだけど、返ってくる答えがすごくシンプルなのね。それで最後に君、成功するよって言われたの。何でそんなこと分かるのかって聞いたらそういう顔してるって(笑)。すごくシンプル。

その人に40代で頑張れって言われて。自分の目標で35歳で開業して、ここまで稼いで、年収いくらで、家を建ててってここまではできたんだけど、40歳で引退しようと思ってたの。分院を増やして下の子達の底上げに力を尽くそうって。
でも40歳になって今その状況がつくれていないってなったときにその人に会いに行ったとき、40歳は頑張る年でしょ。50歳になったら抜けなよって言われて。だからちょっと頑張ろうかなと。

 

-奥様とは高校生の時から付き合ってるんですよね!純愛ですね。

よく一家の大黒柱は男だというけど、うちは奥さんだと思うんだよね。あそこまでやってくれる人はいない。子供が生まれてさらにかなわないと思ったね。

 

-でも高校時代とか相当モテたんじゃないですか。

それはね・・・(笑)でも異性に好かれるという部分は大事だよね。モテる男はどんな職業でも儲かるって本で読んだりとかもしたし。それは相手の気持ちを考えられるからだと思うよ。

 

-確かににそうかもしれません。

-治療家としてのモットーを教えてください。

治療家としては、患者さんに治るという希望を持たせてあげたい。当たり前のことなんだけど、ここに来たら治る方法を教えてあげられるということ。治療者には本当の治療者になってほしいという思いが強い。教科書片手にやっている人も多いですから。

 

-読者にメッセージをお願いします。

楽しいということをどこまで追求できるかが大事です。楽しければ笑顔になれると思います。 ありがとうございました。

 

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