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自転車がまちを活性化!?サイクルロードレースと宇都宮市のつながりとは

2017.11.29 / 小林 礼乃

宇都宮市でジャパンカップを開催することによる効果とは?

サイクルロードレース

では、ジャパンカップという大きなレースを開催することによって宇都宮市にもたらされる、効果や影響はどのようなものなのか?
廣瀬氏によると、宿泊施設や飲食、交通機関全てから得られる経済波及効果はジャパンカップ開催の2日間で28億円にもなるようだ。

また、2010年以降は森林公園でのロードレースだけでなく、大通りを一部封鎖して、1周2.25キロをパレード走行含め合計17周の順位を競うクリテリウムレースが行われるようになった。クリテリウムレースが行われるようになったことにより、宇都宮市での自転車レースの影響は強くなっていったという。クリテリウムレースによってより多くの聴衆が目の前で選手達が走る姿を見られることになったという競技の魅力を伝える面でのプラス効果もあるが、それだけでなく、コース周辺の飲食店や商業施設にも入る人の数が格段に伸びたという影響もあるのだという。これもまた自転車レースの地域貢献の一つだと廣瀬氏は語っていた。

クリテリウム周辺には、ジャパンカップに合わせてサイクルメーカーの特設店舗や、フィットネスジムのサイクルマシーンの体験スペース、サイクルフォトグラファーのトークイベントなど、自転車に関連した様々な催しが行われる。単にレースを開催するだけでなく、大会に伴い、自転車に関連した施設や、活動、人々と連携してジャパンカップを盛り上げていることがわかる。

宇都宮市と自転車レースの今後について


こういった活動を続ける中で、宇都宮市が目指す自転車と地域との未来像とはどういうものなのだろうか?
「おそらくこの後街中にLRT(ライトレールトランジット)という次世代路面電車というのができてくると思います。そうなると、街の交通も随分変わるだろうと。工業地域あたりへの交通も良くなってくるだろうし。そして、おそらくジャパンカップのコースも変わると思うんですね。広範囲にコースが広がると考えています。もう少し、街中が広いレイアウトになるのではないのかな?と思っています。」
宇都宮市の交通の転換を視野に入れながら、今後も市民が過ごしやすいまちづくりと掛け合わせた自転車競技の発展になるのではと廣瀬氏は予想する。
また、宇都宮市では近年自転車の競技もロードレースだけではない。山道や林道を含めた舗装されていない道路をコースとして行われるシクロクロスやマウンテンバイクの大会を開催するなど多彩な自転車競技にも挑戦していこうと考えているようである。

「自転車は誰でも始められるスポーツですからね。おばあちゃんでもレーサーになれる、みたいな。子供からおばあちゃんまで楽しめるし、誰でもレーサーになれるし、本当に身近な乗り物であり身近なスポーツ。自転車は実は、この先もずっと老若男女全ての人にとって一番身近な乗り物だと思っているんです。そして、ジャパンカップは幼稚園生からトッププロの選手まで全カテゴリーのレースが行われています。将来的に地元の子供たちがペダルなしのレースから実際にプロになるまで、というストーリーも見せてきているんです。だからこそ、プロのレースを観戦して楽しむだけではなくて、子供達に夢を持ってもらったりだとか、とにかく自転車で皆が盛り上がってくれればいいなと思っているんです」

廣瀬氏の言葉を聞き、実際にジャパンカップの光景を見ることで、宇都宮市民がロードレースという競技をまるで市が誇る1つのアイコンとして捉え、楽しんでいるということを強く感じられた。宇都宮ブリッツェンを応援する市民の目は子を見る親の目そのもので、単にスポーツを観戦することだけを楽しんでいるわけではなかった。彼らにとってこのチームやジャパンカップの存在は、自分たちの日常生活ときっても切り離せないものだと言えるだろう。地域を活性化させるスポーツクラブは、何も野球やサッカーばかりではない。